NOT FOUND

Mr.Childrenやスキマスイッチ等のレビューを。

森山直太朗 「レア・トラックス vol.1」 

どうも、ゾロアです。

先月は高校総体でした♪ 3年生の先輩が引退して、寂しい限りです。(´;ω;`)

新人戦まで、練習がんばろう!

 

さて、今回取り上げる作品は、こちらです。

レア・トラックス vol.1

レア・トラックス vol.1

 

 《収録曲》

  1. あなたがそうまで言うのなら
  2. どうしてそのシャツ選んだの
  3. 友達だと思ってたのに
  4. トイレの匂いも変わったね
  5. 取れそうなボタン
  6. タカシくん
  7. 結婚しようよ
  8. うんこ
  9. 臆病者
  10. まかないが食べたい
  11. ここにきてモーツァルト

 

 

はじめに

森山直太朗さんといえば、「さくら」「夏の終わり」「太陽」「生きとし生けるものへ」などのヒットソングの数々で有名ですよね。特に前半の2曲と言われたら、知らないと答える人はまずいないかと思います。そんな国民的フォークシンガー、森山直太朗

しかし、「上記の曲は知ってるけど、そのほかの曲は全然......」という方。

そんな方にこそ、この「レア・トラックス vol.1」を聴いてほしいのです。

 

もともと本作は、“これまでボツになった曲を改めてレコーディングした”というコンセプトアルバムという扱いで、発売されました。公式サイトには、「レコード会社のムチャぶりに応え、なんと前作から6ヶ月での緊急リリース!訳あってこれまで収録されなかったレアな曲たちをレアな形で緊急レコーディング」とのこと。一部ライブで披露された曲もありますが、そういった名残惜しい裏の名曲を、このCDに焼いて、世に出してやろう!と、なんやかんやあって、今僕がこの記事を書いているわけです。

ちなみにジャケットのイラストは、共同制作者の御徒町凧さんによるものだそうで。

 

そして、みなさん。お手数ですが、もう一度上の《収録曲》を読み直してください。

多分、この記事を読んでいるみなさんも、「ん? この人はいったい何を紹介するつもりなんだ!?」と目を丸くしたのではないのですか? (笑) 

そうなんです。見てくださいよ。この (いい意味で?) ふざけたタイトルの羅列を。(笑)

上記のヒットソングとは全く違う、「彼の裏の顔」にこれから遭遇するわけです。

 

しかし、タイトルがふざけているからといって、見くびってはいけません。

全体の収録時間は40分未満とお手軽ですが、アコースティックギターの和やかな演奏、直太朗さんの声、キラキラと光り輝くアレンジ、そしてこのシュールだけど、なぜかいろんな感情がわいてくるような歌詞。『名盤』じゃないわけがないんです。

さらにコンセプトが「ボツ曲集」なだけあって、とても親近感を感じます。(笑)

とにかく、今作を「駄作」としてしまうのは、あまりにも残念な気がします。

その理由を、全曲解説コーナーで、長々と語っていきます。

 

いいですか。みなさん、よく聴いてくださいね。

ボツ曲」と「単なる駄曲」は、まったく別のものなんですよ。

 

 

 

1.あなたがそうまで言うのなら

イントロのアコギのフレーズから、とても和やかな雰囲気を生み出していく。

なんとなく、洋楽の、昔懐かしいフォークソングって感じがして、個人的に地味に好きな曲です。この一聴したなんとも言えぬ心地よさ。これこそが名曲なのでは?とも思えてくる。

 

そして次に注目してほしいのがこの歌詞。

つまりその あのですね あなたがそうまで言うのなら

やはりまぁ ここはだね なるたけなんとかいたします

とはいえ それほど たやすくは

いくとは思えずいるのです

あなたがそうまで言うのなら 雲を固めてみせましょう

あなたがそうまで言うのなら 鹿も生け捕りいたします

あなたがそうまで言うのなら

しかしはて あのですね あなたがそうまで言うのなら

うんとへぇ なんつうか こちらも都合がありまして

かくかくしかじか モンブラン

もじもじほじほじ フェルマータ

(´・ω・` )

なんだ、この、「無意味」で、どことなく「体の力が抜ける感じ」の歌詞は......。

もちろん褒め言葉の意味で使っています。

とにかくただ、このメロディーに“言葉”を乗せているだけで、作詞者は、“意味”なんてものは求めてはいないのではないか、と聴いていて思う。

しつこいようだが、誤解が生じて困るのでもう一度言う。最高の褒め言葉だ。

 

とにかくこの和やかな演奏とメロディーと声に着目してほしい。

ここまで美しいハーモニーを聴き手に放つ、そんなフォーク音楽に、「言葉の意味」なんてものはもはや必要ないのである。音楽という芸術の力は僕たちが思うよりもずっと偉大で、ましてやそのなかの「歌詞」というのは、ある意味その素晴らしさを引き立てるための「飾り付け」でしかないのだ (その飾り付けが一番重要なところでもあるのだが) 。

そしてこの曲を引き立てるには、この「無意味で肩の力が抜けていく感じ」の歌詞が、最も適当なのではないだろうか。

その点では、日本人にとって「歌詞がわからなくても、いい曲だと感じさせる」洋楽を意識しているのではとも思われる。

 

静かな小曲でありながら、初っ端からこんなことまで考えさせられる、

これがまさに『隠れた名曲』だと思う。

 

そしてアウトロの、転調してからジャーン!激しく音が鳴って終わる感じも、またいい。

 

 

2.どうしてそのシャツ選んだの

引き続き、洋楽を意識したような、アコギ主体の軽快な曲。

軽快なアルペジオとコード進行を奏でる2本のアコギ。聴いていくうちに癖になるパーカッション。

「ヘイミスタータンブリンマン♪」の部分とBメロの「訊いてもいいかい♪」の部分の巧みなコーラス。

そして一番の聴きどころである、間奏のハーモニカソロ。聴けば聴くほどこのフレーズが耳から離れない。名曲「太陽」以来の名フレーズではないだろうか。天気のいい休日に聴きたい、こちらもまたマイナーな名曲である。

 

そして歌詞。

生きているのは素晴らしい

素晴らしいってどんなこと?

訊いてもいいかい 訊いてもいいかい

ずっと ずっと ずっと ずっと 気になってたんだ

ずっと ずっと ずっと ずっと 言えなかったんだ

という思わせぶりで少しモヤモヤする箇所から、

雲は流れ 僕は思う

空は青く 僕は思う

といった巧みな情景描写が登場するので、どんな展開が来るかと思ったら、、、

 

サビに入った瞬間。

どうしてそのシャツ選んだの

どうしてそのシャツ選んだの

これは。(^_^;) 初めて聴いた瞬間は、さすがに吹いた。(笑)

 

先述した歌詞のフレーズから、タイトルも何も知らずに聴けば「軽快な曲調に合わせた、愛の告白」など、そんなすてきなラブソングだと思う人も多いだろうが、

 

「どうしてそのシャツ選んだの」である。

「どうしてそのシャツ選んだの」である。

さすがにこれはずっこけますよ。(爆笑)

 

でも、これを狙ったとするなら、直太朗さんも御徒町さんも、相当すごいですよね。

僕が聴いたネタ曲の中でも、かなり秀逸なのではと思います。

 

 

ちなみに、歌詞に出てくる「ミスタータンブリンマン」は、ボブディランさんの「Mr.Tambourine man」に由来します。こちらも超名曲ですので、必聴ですよ!

ヘーイ♪ ミスタータンブリンマン♪ プレイァソングフォミ~♪


BOB DYLAN - Mr Tambourine Man

 

 

3.友達だと思ってたのに

和やかなムードから一転して、一気に悲しげな雰囲気の曲へ。

イントロの大人っぽいアルペジオから始まって、淡々とした演奏と直太朗さんのボーカル、切ない歌詞によって、その世界観は露わに表現されていく。

さらに、ラスサビで、アコギのストロークにより一気に激しくなる演出もよい。

説明が難しいけれど、演歌』と『フォーク』が見事に混ざったような、本当に"レアトラック"なのが勿体なくなるくらいの、スゴイ曲だと思います。

 

そして、その切ない歌詞とは。

友達だと思ってたのに 君は僕に手を上げた

みんながやれと けしかけて

泣きながら 下ろした拳

うわっ、暗っ......。(^^;;

簡単に言うと、友達である「君」に裏切られてしまった、主人公の気持ちを描いた曲である。

友達だと思ってたのに 君はもう見てくれない

こうして僕は いるのにさ

空気のように 空気のように

悪いことって なんだろう

誰に訊いたら いいんだろう

涙もでない 悔しさを

みんなどうして いるんだろう

もう手の打ちようがない、絶望的な歌詞ではあるが、聴いている僕もなぜか共感してしまう。別に実体験があるわけではないのに (笑) 、実に不思議である。

始終このようなどん底の状態だが、先述したように、ストロークが激しくなるラスサビの部分で、「友達だと思ってたのに 君は今どんな気持ち どんな気持ち」と締めくくられる。

冒頭の歌詞から、「君」だってみんなにやれとけしかけられて、泣きながら「僕」を殴ってしまったのだ。だから、お互い、辛くてどうしようもない気持ちでいるのに変わりはないはずだろう。自分が一番つらいのに、大切な人を裏切らねばならないこと。本当に悲しくて、とても身近でリアルなことだと思う。

この後、彼らはちゃんと和解できたのだろうか。そう願いたいものである。

 

ところで、「ブランコに“ゆら~れてる~♪”」のファルセット部分で、聴く度にどうしても吹き出してしまうのは、僕だけだろうか。(笑)

絶対笑っちゃいけない場面だとわかってはいるのだが、なぜだろう......。

 

 

4.トイレの匂いも変わったね

イントロのアルペジオから、再びほのぼのしたムードを生む。

というか個人的にはこのイントロが、多分このアルバムの全曲のイントロの中で一番好きかも。なんかもう、いきなり「名曲の予感」って感じがして。このリズムがいいのに、ちょっと感動的な旋律が、、、何とも言えずいいと思うのだけれど、わかる人いないかなぁ......?

さらにAメロ、Bメロと、ほのぼのした感じのコード進行が続いていく。

こんなにいい曲なのに、演奏時間が2分ほどしかないのが勿体ないくらいだ。

 

そして、歌詞。

久々に連絡ついて

遊びにきたけれど

すべてのことがなんとなく

落ち着かない気分だよ

笑い方も大袈裟で

声もいくぶん大きくて

嗚呼 窓の向こうのお月さん

嗚呼 窓の向こうのお月さん

と、久々に会えた昔の友達 (異性だと思われる) の家に訪れたのだけれど、何となく彼女の仕草や雰囲気が、昔とはちょっと変わってしまった印象を抱き、複雑な心境になっている、そんな主人公の気持ちを描いている。

あぁ、多分僕も、大人になったら、泣きながらこの歌詞を読んでいるのかな。(笑)

それでも、友達との再会はうれしいんだけどね。でも友達だって人間だから、昔と今とでは違ってくるところもあるから、そういう気持ちにもなっちゃうよね。

 

ここまでは「普通に」いい曲である。

しかし、サビに入った瞬間の歌詞がこれまたすごい。その歌詞がこちら、、、

トイレの匂いも変わったね

( ಠωಠ)

( ಠωಠ)

えぇと、彼女の印象も変われば、前にも訪れた (のではないかと思われる) 彼女の部屋もいろいろ変わっていた、そういう描写なのは、よくわかる。

ただ、「トイレの匂いも変わったね」って。

「トイレの匂いも変わったね」って。

選りによってそのチョイスは。絶対おかしいって。 (笑)

そのあとも「ずっと好きだった 君のなにもかも」と自然に続いていくから不思議。

男の恋心って、難しいね。(爆笑)

 

しかし、こんな変なタイトルなのに、曲自体はすごく良い仕上がり。

これがリスナーにとって一番不思議だし、直太朗さんの才能を感じさせられる。

 

 

5.取れそうなボタン

えーと、これを見てエロいタイトルだなぁ」と思ったのは僕だけでしょうか。

いや、あの、本当にすみません。まだ帰らないでください。

 

イントロの、少しアダルディな感じのアルペジオから始まって、これまた始終、大人っぽい雰囲気を作り上げていく。この地味な感じのコード進行がまた心地よい。しかもそれが延々と続いてしまうのが、もう最高。

そして間奏は、笛の音だろうか。このゆるやかな旋律が、本当に素晴らしいと思う。

またBメロの低いコーラスも、なかなか魅力的。

 

そして歌詞。

さっきから目の前で けたたましく喋ってる

男の人の袖ぐりの ボタンが今にも落ちそうで

取れそうなボタンが気になって

取れそうなボタンが気になって

いっそ落ちてしまえばいいのに

いっそ落ちてしまえばいいのに

ごめんね、読者さん。やっぱりエロいわぁ......。

だって、「気になって」だの「気になって」だの「いっそ落ちてしまえ」だの、、、

なんかさ、どうしてもソッチ系を連想しちゃうんだよねぇ。(´・ω・` )

だってもし、好きな異性の子のボタンが取れそうな状況だったら、ねぇ......?

(袖ぐりならともかくさ、例えばそれが胸のあたりとかだったら、なおさらじゃん)

あと、歌詞に“男の人”とでてくるから、多分女性目線の曲ではないだろうか。

女の気持ちはよくわからないけれど、やっぱり人間たるもの、そういう下心が、、、

 

いや、本当にすみませんでした。

もちろん、「あぁ、ボタン取れてるなぁ。どうしよう、言えばいいかなぁ」っていう風に普通に解釈していいんでしょうし、それがまっとうだと思うんですよ。

ただ、歌詞の意味に関しては、解釈は人それぞれですから。(爆笑)

直太朗さん本人も、「歌詞の意味を俺に聞くな、って感じですね......」と公言してますし。

 

しかし、まさかこの記事で、こんな下ネタが炸裂するとは。

さすがは、レア・トラックス。恐ろしいものです。(笑)

 

 

6.タカシくん

「タカシくん」とは、直太朗さんの現場マネージャーさんだそうです。

御徒町凧さんのお友達でもあることから、本人ともかなり親しい関係なんだそうな。

 

これはお洒落なアコギのストロークの中で、また淡々と歌う感じの曲。かっけぇ。

そして、ラスサビの「タカシくん♪ タカシくん♪ タカシくん♪ タカシくん♪」のコーラスが、なぜかいつ聴いても笑えてしまう。まさか、本人じゃないよね!? (笑)

 

そしてこの詞は、そんな「タカシくん」に宛てたもの。

しかし、その内容が、なかなか衝撃的なものでして、、、

 

昔はずっと太ってた 体育はいつも見てるだけ

今はドクロのシルバーと すぐに壊れるオートバイ

いやいや、いくらなんでもさ、そんなこと歌って大丈夫なの? (笑)

てか、「体育はいつも見てるだけ」って、あんた。(爆笑) これ笑っちゃアカンやつか......?

ストレスなんて ないと言う

不安なことも ないと言う

うーん、でもこのセリフは、確かに頼もしいかも。(^^)

今の時代、「ストレスも不安もない」って堂々と言える人って、かっこいいもんね。

僕にはちょっとないものだったりするから (笑) 、うらやましいなぁ。

 

そして、サビ。

タカシくん タカシくん

いなくなっても困らない

おい、待てぃ!! (;゚Д゚)(゚Д゚;(゚Д゚;)ナ、ナンダッテー!!

サビで名前を連呼するのはいいけど、「いなくなっても困らない」って。

「いなくなっても困らない」って。(爆笑)

(このネタ、本日3回目だ......)

いや、ドラ〇もんじゃないんだからさ。そんなこと言われたら22世紀に帰っちゃうよ。(笑)

 

誰もが君を好きになる 嫌いの後で好きになる

羨ましいとは思わない よく見てみなきゃ分からない

あー、確かに。昔はいやだと思ってた人でも、離ればなれになって、時が経つにつれ、だんだん恋しくなってくるものですよね。他人に対する「好き」だとか「嫌い」だとか、そういう感情って、本当に曖昧なものです。

みんなにとって「タカシくん」もそうなのかな。なんてったって体育はいつも見てるだけ。(笑)

 

そして、最も衝撃的な箇所が、こちら。

タカシくん タカシくん

どっちが先に死ぬのかな

( ゚д゚) ポカーン

ネェ、ミンナ!ヾ(゚д゚ )三( ゚д゚)ノ"チョット、キイタ?

 

......いやいや、「どっちが先に死ぬのかな」って!

「どっちが先に死ぬのかな」って!

 っ

 ち

 が

 先

 に

 死

 ぬ

 の

 か

 な って! (爆笑)

(多分、今回はもうこのネタ出ません。さすがに飽きてきたよな......)

 

 

でも、こんなこと、本当に仲の良い人でないと、言えないですよ。

きっとこの歌は、「タカシくん」への愛のしるしです。ちょっと毒が強いけれど、本人はちゃんと受け止めてくれるはず♪

そんな、ちょっと毒の入ったラブソング (違) でした。

 

いやねぇ、直太朗さん、すぐ調子に乗るんだから。いいぞもっとやれ。

あと、こんなこと言っても許されるのは直太朗さんだけですから。間違ってもカラオケで人前で歌っちゃだめよ。(笑) でも、そこはさすが、「レア・トラックス」。

 

 

7.結婚しようよ

「タカシくん」のあとに、これって。(笑)

 

この曲は、ピアノのイントロから、もう泣きそうになるくらいの、良曲バラード。

今まで変な曲目しかなかっただけに、いきなりこんなガチな曲はずるい。

演奏はピアノとアコギ、途中から入るストリングスだけで構成されています。

 

そして歌詞。これは「詞」ではなく「詩」と表現すべきでしょうか。

とにかく淡々と、相手への想いを、口語定型詩の形式で綴った、そんな感じのプロポーズソング。

庭に咲いてる あの花が

もっと大きく咲いたなら

結婚しようよ この僕と

きっと良いことばかりだよ

空に飛んでる あの鳥が

見えなくなってしまったら

結婚しようよ この僕と

苦労はそこそこかけるけど

そうか。

「花が咲いたら」とか「鳥が見えなくなったら」とか、ふたりの間にたくさんの約束を重ねて、その末にやっと「結婚しようよ」までたどり着くんだなぁ。

それまでには、時間もかかるけれど、それでもふたりでいろいろな約束を果たしていくうちに、互いの愛は強くなって、やがて永遠を誓うようになるんだろうなぁ。

ちょっとクサいけど (笑) 、なんていい言葉なんだ。

月に転がる あの石を

誰かが持ってきたのなら

結婚しようよ この僕と

お風呂は毎晩入るから

いやいや、プロポーズの言葉に、「お風呂は毎晩入るから」って。

「お風呂は (以下略)   こんなときこそ、必殺技「以下略」の出番だ。

すごいなぁ、直太朗さん。こういうことも言うんだ。(笑)

 

海に煌めく あの波が

君の記憶を消したなら

結婚しようよ この僕と

思い出なんかいらないさ

いやー、これは泣けるよぉ。

思い出なんかいらない、過去は過去でいいから、未来に向かって歩き出そうよ

君の記憶が消えてしまっても、互いに好きでいられる、そんなふたりでいるために。

 

そして、ラストで転調して、物語もクライマックスへ。

風に隠れた あの歌が

二人の気持ちになったなら

結婚しようよ この僕と

未来はそこからくるはずさ

 

いやー。「普通に名曲」だった。ありがとう。ちょっと泣けたわ。

(ちなみに、直太朗さんは41歳でいまだ独身とのこと......。)

 

 

8.うんこ

さっきまで体の中にいたのに

 

出てきた途端

 

いきなり嫌われるなんて

 

やっぱりお前はうんこだな

はい、これが歌詞全部です。

読んでの通り歌詞がたったの4行で、演奏時間は全体で1分20秒と、非常に短い曲。

しかしながら、アコースティックギターのみの前奏から、直太朗さんの声が乗っかり淡々と歌われ、アウトロに入ると、壮大で感動的なストリングスが流れていく。といった、短い1曲の中でも、凄まじいストーリー性を感じる、そんな名曲である。

 

そして、何がすごいって、とにかく歌詞が強烈。

さっきまでの曲も、なかなかすごいフレーズが散らばっていたが、これの曲に関してはもう桁が違う。だって、、、

やっぱりお前はうんこだな

「うんこ」ですよねぇ......。

 

初めてこの曲を聴いたときは、あまりにも衝撃的で思わず吹き出してしまった。

しかし、何回も聴く回数を重ねるにつれ、だんだんこのメロディーが頭から離れなくなり、そして歌詞の「うんこ」が、なぜか自分と重なってしまって、ふいに泣きそうになってしまったり、いろいろ複雑な感情が、自分の中を駆け巡るようになった。

勿論、この曲は何回聴いても爆笑できる、そんな“問題作”であるのに変わりはない。

しかし、それと同時に、毎日僕らが何気なく出している「うんこ」の悲しみや、切なさや歯痒さ、虚しさ、そしてそれらは僕らに見向きもされないまま、流されていくのだ、ということに気づき始めたのだ。

 

さっきまで体の中にいたのに

出てきた途端

いきなり嫌われるなんて

人間だってそうだ。

成長するということは、他人から離れていくということ。

それはつまり、僕らはやがて他人に見捨てられ、「孤独」になっていくということ。

 

他人の体から出て、嫌われては流されていく「うんこ」が孤独なら

成長するにつれひとりで生きなければいけなくなる「人間」も、それと同じなのだ

 

そして僕らは、「時間」というトイレの水に流され、“孤独”の名を背負って生きていく。

それをアウトロのストリングスが物語っている。

残酷な運命に逆らえず、それでも便器の上の誰かへ泣き叫ぼうとする、壮大な旋律。

うんこだって、「人間と同じで、つらくて、さみしいんだ」というメッセージを。

 

これは、そういった名曲である。

ただ単に笑えるだけではなく、涙せざるを得ない深い意味だって込められているのだ。

 

(やばい、今、自分の記事を読んで吹きそう......爆笑)

 

 

9.臆病者

今までのほのぼのムードから打って変わって、最もダークなフォークソングへ。

アコースティックギターの「Em」コード、流れるオルガンの演奏、そして何より直太朗さんの憂欝そうな声が、余計にどす黒さを際立たせる。イメージとしては60,70年代の邦楽に近いような、古臭くも懐かしいといった印象を受ける。

 

歌詞の冒頭も、

真っ暗い部屋で 電気スタンドの

ヒモを手探りで 探しつづけてる

 

そんな感覚で 流れゆく川に

浮かべた舟底は ポッカリアナーキー

「真っ暗い部屋」だけに、かなり闇が深い。

先程までの曲には面影もなかった、「直太朗さんの迷い」をぶつけられたような歌詞。

そして、それはサビに入ると、クライマックスに達する。

 

いざ!! という瞬間にあなたはやってくる

暗闇の向こうから

「呼んだのはあなたのほうですよ。

 おほほほほほほほ......」

臆病者ですと 丁寧な挨拶で

 怖い。怖すぎる。

「暗闇の向こうから」の後に、“笑ゥせぇるすまん”の喪黒福造の声を真似たセリフが入っている。(もちろん、この声も直太朗さん本人のものです。すげぇ。器用だなぁ。)

何気ない日常には、「臆病者である自分」がたくさん潜んでいる。

そしてそれは突然やってきて、あげくに自分の心を苦しめる。

「呼んだのはあなたのほうですよ」と言い、そいつはいつまでも離れずいにいるのだ。

そう、それはあなたの前に唐突に現れた、喪黒福造の声のように。

 

変わらぬ物だけを 望んでいた頃は

生きてるそのことが とにかくしんどくて

そんな惨めな過去を思い出してまた、「臆病者」はやってくる。

「せめてもう気持ち 晴れてくれたなら」と願えども、やはりそいつは消えはしない。

臆病者ゆえに、内に秘められた「触れてほしくない」と相反する「卑屈な口元」。

うしろの正面だぁれ? 最後の答えはなぁに?

恐る恐る、自分を見つめようとしても、臆病者がまた邪魔をするのだ。

 

お前は誰だ? 正体を表せ。

「だから言ったじゃありませんか。

 ほほほほほほほほ!!!」

臆病者ですと 丁寧な挨拶で

 

 

そしてこの曲は、

「ふふふっふふふふ。またお会いしましょう♪」

というセリフで締めくくられる。

何度必死に追い払っても、「臆病」な自分とは決して絶交できないのだ。

なぜなら、そいつは「いざと瞬間に」いつでも何度でもやってくる......。

怖い。怖すぎるよぉぉ。

 

 

やっぱり本作のなかでも、

「うんこ」「臆病者」は全員必聴だと思います。この2曲は絶対的な名曲ですから。

 

ところで、、、喪黒福造で思い出したんですが、

アンタッチャブルヤマザキ 喪黒 福造 黒烏龍茶

「黒鳥龍茶」のCM。「脂肪にドーン!」のやつですよ。懐かしいなぁ。 

 

 

10.まかないが食べたい

これまたイントロの繊細なアルペジオが心地よい。この楽器は、マンドリンかな?

始終、アコギとマンドリンアルペジオが上手い具合に重なって、とても穏やかな曲調が奏でられる。

 

歌詞の方は、、、

いつものカフェの隅っこで 店員さんが食べている

たぶんメニューに載ってない あれはいったいなんだろう

「まかない」とは、“飲食店において客に出すのではなく、従業員の食事用に作られる料理”のことです。(ウィキペディア先生より) 

僕はバイトやってないので食べたことはありませんが、働いて疲れた店員さんやバイトの方にとって、“至福”であり“やりがい”ともいえるであろう、まかない。

お店によっては、とても豪華でおいしいまかないが出る、というツイートも。

うすい塩味で かるい焼き加減

ずっと遠くまで 旅に出た気分

検索してみたら、オムライスといい、お寿司といい、パスタといい、煮込みハンバーグといい、ピザといい、唐揚げといい、チャーハンといい、、、あぁぁぁどれもおいしそうぅぅぅ。(*´﹃`) 僕たち客にとっては、すごい羨ましいものでもあります。

で、この曲は、たまたまそのまかないを見て、

「うまそうだなー。いいなぁー俺も食べたいなぁー。」という話。

 

 そしてサビは、

「あーーーああーー♪ まかないが食べたいー♪」とひたすら連呼。(笑)

 

というか、2番のBメロが、、、

夜の公園で 君とキスしても

ずっと離れない カフェで見た景色

おいおい。(^_^;)

「まかない食いてぇなー」って思いながら彼女とキスする男。いやだなぁ......。(笑)

 

そしてラストの、「ほーんとのとーーこはぁー♪ ぼくもぉぉぉぉぉ♪」の部分。

直太朗さんのファルセットが効いていて、演奏が止まってしまう。

からの「あーーーああーー♪ まかないが食べたいー♪」とアカペラでまた歌うところが、Very Goodだ。

 

 

ところで、「まかない」という言葉を聞いて、

 ( ꒪Д꒪) 「私の好きな食べ物はっ!!

 ( ꒪Д꒪) 「ドゥルルルルルルル......ドゥン!!!

 ( ꒪Д꒪) 「まかないですっ!!

 ( ꒪Д꒪) 「なんのっっ!!!

というピスタチオのネタを思い出したのは僕だけだろうか。古すぎるか。

 

 

11.ここにきてモーツァルト

いよいよ本作の最後を飾る曲となった。

それがこの「ここにきてモーツァルト」。個人的には、名曲「うんこ」に並ぶうえに、本作の中で最もと言っていいくらい大好きな曲である。

何がって、とにかくこの歌声と演奏と曲調とメロディーと歌詞、いわば全てがだ。

モーツァルトのヴァイオリンだけに琴線に触れてしまったのだ。

 (伝わってる......?このギャグ)

 

前曲に引き続き、アコギとマンドリンの弾き語り曲。

このアルペジオサウンドが、、、なんと言ったらいいんだろう、美しい。

曲の最初から最後まで、繰り返されるこの演奏。曲が終わっても脳内から離れないあのフレーズ。なんというか心にずっと刺さっているような、どこか愛おしくて、狂おしい気持ちになるような旋律だ。それに直太朗さんの声が重なるわけだ。

理屈を超えて、美しい演奏。これ以外にどう表現できようか。

 

さらに

自由になりたくないかいと 尾崎豊が叫んでる

埃をかぶったアルバムの ジャケットに肌をふやかして

尾崎豊」という懐かしい人物名に、「埃をかぶった」という表現。

あの大名曲「15の夜」や「卒業」などが思い出されるであろう。

このほかに「モーターバイク」「井の頭」「アップルパイ」「曲がった釘」「午前0時」「うふふと笑ってみたならば おほほと帰ってくるような」など妙に引っ掛かる言葉も多い。これもすでに理屈を超えている。御徒町さんはきっと天才にちがいない。

 

そしてサビに入れば、

ここにきてモーツァルト ヴァイオリンならまかせてと

ここにきてモーツァルト 言ってみたけど嘘みたい

ここにきてモーツァルト 指の震えが止まらない

ここにきてモーツァルト ずっと ずっと ずっと

ここにきてモーツァルト プロ野球って言うんだよ

ここにきてモーツァルト 遊んでるわけじゃないんだよ

ここにきてモーツァルト 夜空に浮かぶシンフォニー

ここにきてモーツァルト 冴える トリル ふわり

光る 音符 キラリ ずっと ずっと ずっと

ストリングスも加わって、マンドリンもより鮮明になる。

さらに「ここにきてモーツァルト」の連呼。

多分これは、過去の人物である“モーツァルト”と現代人である直太朗さん (御徒町さんかもしれないが) が何かの理由で対面して、様々なやりとりが繰り広げられているような、ちょっとだけ壮大なイメージが浮かぶ。もちろん夢や想像の世界の中でだろうが。

言葉にはならなくとも、時間を超えて伝わってくる感情のようなもの。

それを想像したリスナーとしては、自然と涙が溢れそうになる。個人的には「指の震えが止まらない」がヤバい。

 

僕も今まで、いろんな人の音楽を聴いたけど、これこそが本当の名曲かもしれない。

理屈なんて必要ない。音楽にはそういったものを超えて、人々に伝えられる“何か”が必ずあるから。(そういえばスキマスイッチの「光る」にも出てきましたね。これも名曲だぁ。)

 

 

さいごに

以上、「レア・トラックス vol.1」でした。

パッと見、変な曲目しかないけれど、よく耳を澄ませば、心地よい音色や面白い歌詞、そして直太朗さんらしい素晴らしい演奏が、集っています。

間違いなく、名盤です。皆さんぜひ聴いてくださいね。

あなたにとって、この記事が、本作との出会いになることを祈っています。