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Mr.Childrenやスキマスイッチ等のレビューを。

BUMP OF CHICKEN 「THE LIVING DEAD」

どうも、ゾロアです。

なんと先月、とうとう本ブログへの総アクセス数が、1万を超えました!

記事を読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。

 

さて、今回取り上げるアルバムは、こちらとなります。英語で、「生ける屍」という意味の本作です。

THE LIVING DEAD

THE LIVING DEAD

 

《収録曲》

  1. Opening
  2. グングニル
  3. ベストピクチャー
  4. 続・くだらない唄
  5. ランプ
  6. K
  7. リリィ
  8. Ever lasting lie
  9. グロリアスレボリューション
  10. Ending

 

はじめに

2000年にBUMP OF CHICKENが発売した、インディーズ2枚目のアルバムです。

メジャーデビュー後の2004年には、リマスタリングが施され再発売されています。

 

このアルバムの特徴として、1曲目の「Opening」から、最後の「Ending」まで、全編物語形式の楽曲で構成されるコンセプト・アルバムとなっています。全曲の作詞作曲やレコーディングもすべて、約半年という短い期間で完成させたこともあり、一枚通して聴くと、全部の曲が「ひとつのストーリー」とも感じることができます。インディーズならではの挑戦作ともいえますね。

あと、歌詞カードの絵も、なかなかいい雰囲気を出しています。

 

まず、アルバム全体の評価から書きますと、

「最高の名盤。全10曲とも名曲。もはや、『僕の人生の相棒』といっても良いくらい、生涯大切にしたいアルバムのひとつ。」

こう言い切ってしまっていいでしょう。

ちなみに僕の中では、本作とMr.Childrenのアルバム「DISCOVERY」が、1,2を争っています。(笑) どちらも邦楽最強の名盤ですので、正直どっちが良いかは決められませんが。

あ、「僕の人生の相棒」は上記の二枚だけじゃないですよ!(笑) 僕の好きな音楽は全部、僕の大切な相棒ですから。でもやっぱりこのアルバムは特別なんですよね。

 

それでは、全曲解説コーナーへ、レッツゴー!

 

 

 

1.Opening

アコースティックギターの演奏とともに、藤原さんは歌い始める。

途中までは、物静かなアルペジオが淡々と演奏されるが、「ええと、うん、そうだ~♪」の部分から急に激しいストロークが流れ、非常に耳心地のよい楽曲となっている。

そして、歌詞カードに描かれている男性が、めっちゃイケメン。(笑)

お訪ねします
この辺りで ついさっき
涙の落ちる音が聴こえた気がして
駆けつけたんだけど
誰の涙かな
そういや君は ずいぶん赤い眼をしてるね

 

ええと、うん、そうだ!
いくつかの物語をプレゼントしてあげる
ちゃんと読んでおく事、いいね?

それじゃ、また、後で

泣いている「君」を笑顔にするために、ある人物 (「ラフ・メイカー」であると言われる) が語りかけ、彼が持ってきた「いくつかの物語」をプレゼントしたところから、このアルバムは始まる。そう、先述したとおり、本作は「僕たちを勇気づけるための“物語”」で構成されているのだ。その本を開いた瞬間、僕らは心の真ん中をえぐられるような、ファンタジックで、でもどこかリアルな歌詞(お話)に強く突き付けられる。次曲「グングニル」から「グロリアスレボリューション」までの8曲は、そんな“人間”の想いを忠実に絵にかいたような曲の連続だ。

それでは、次のページをめくって、バンプの「物語」へと突入しよう。

 

 

2.グングニル

升 (ます) さんのドラムカウントから、エレキギターの激しいストロークが掻き鳴らされ、物語の「第一章」は始まる。「始まりの始まり」にふさわしい、熱血感あふれるイントロである。

この物語の主人公は、「宝の地図」を拾ったひとりの少年。歌い出しから「そいつは酷い」と言われ、それは「どこまでも胡散臭くて 安っぽい」ものだという。しかし、

「こいつは 凄い財宝の在り処なんだ

信じきった彼もとうとう
その真偽を確かめる旅に出るとする

 こうしてこの物語は始まるのだ。当然、そんな戯言など誰も信じる訳もなく、

誰もが口々に彼を罵った
「デタラメの地図に眼が眩んでる」って

周囲の人々からはそう馬鹿にされるも、彼はその好奇心を止めようとせず、ついには「記念すべき最初の武器」とも呼べる「自前の船」を作り上げ (その出来栄えもなかなか酷いらしいが) 、ある朝、その船に乗って、地図を両手に町を出発したのだ。『願わくば 高波よ悪魔となれ』(この部分の低いコーラスが好き♪) 。そんな人々の呪う声が、背後に響き渡っている町を。

 

とまあ、あらすじはこんなところだが、藤原さんが、BUMP OF CHICKENがこの曲で伝えたいのは、ただひとつ、「信じる心を忘れるな」。ということだと思う。

確かに、「彼」が持っていった地図は、何よりもデタラメ臭く、「信じる人の方がバカみたい」、そう思えるような、酷いものだったかもしれない。

しかし、彼の心が「宝物は実在するのかもしれない」という可能性を見出したのは、紛れもない事実だ。その宝物が「ある」という根拠はないが、「ない」という根拠もない。だから彼は、その真偽を確かめるための旅に出たのだ。根拠もなく「そんなものがあるか」と始めから否定するなんて、本当に最低な奴のやることだ。勝手にその存在や価値を全否定するな。純粋に信じている奴の心をバカにするな。そして、そんな奴らの言うことに妥協しちゃダメだ。わずかな可能性に賭けて、生きてみせろ。

容易く 自分自身を値踏みしやがって
世界の神ですら 君を笑おうとも 俺は決して笑わない

 

いやぁ、本当に名曲です。バンプは、僕に大切なことを教えてくれました。

「夢を見続けること」。それ自体が最高の宝物なんだ、と。

そいつは酷い どこまでも胡散臭くて 安っぽい宝の地図
でも誰にだって それ自体が宝物

この歌詞を、こういうロックで軽快な曲調に合わせて歌い上げるバンプはすごいです。本当に大好きな曲です。聴くたびに「勇気」が湧いてきます......! 特にCメロの部分には毎回圧倒されます。(笑)

「かぁ~なぁ~らぁ~ず~♪ つぅ~らぁ~ぬぅ~く~~!! 」ってね。(笑)

正直、しょっぱなにして「最強の名曲」だと思うのですが、物語はまだまだこれから。

次の話は、ひとりの絵描きが主人公の、「ベストピクチャー」です。

 

 

3.ベストピクチャー

前曲とは打って変わって、ミディアムテンポの、エレキギターアルペジオが心地よい曲。

 

この曲は、さっきも言った通り、ひとりの絵描きが主人公なのだが、一言で言うと、「売れる前」と「売れた後」の絵描きを対比した歌詞である。

1番では、売れる前の絵描きを歌っている。生活も貧しく、住んでいる家も心地いいとは言えない状況の中で、今日も自分の好きな「絵を描くこと」に没頭する。彼の絵は思うようには売れず、誰からも見向きもされないまま。宝物である筆を片手に、『人に認められたい』という今にも砕けそうな願いをキャンバスに塗りたくり、必死で絵を描いている日々。(聴くたびに、僕もついつい共感してしまいます。笑)

それに対して、2番では売れた後の絵描きについての歌詞だ。絵描きはついに人々に認められ、一躍有名となった。住む家も豪華になり、生活も昔と比べてずっと豊かになった。「長年の夢が叶い、何もかもが成功した」。絵描き自身も、最初はそんな風に思っていた。

しかし、売れるようになってから、彼は更なる問題に直面したのだ。それは、「自分の思い通りに、絵が描けなくなったこと」。昔は、苦しい生活の中だからこそ、死に物狂いで生きていたからこそ、自分の描きたい絵を描けたのだ。しかし、今は生活も変わり、人々には煽られ、余計「売れること」にばかり気を取られるようになった。まるで自分の絵が自分の絵じゃないように感じてしまい、『自分が何故、ここに生きているのか』わからなくなってしまったのだ

 

そんな絵描きの切なさや苦しみを、こんなゆったりとした曲調に合わせて歌うのだから、余計に哀しくなってしまう。(笑) だが、急に激しいストロークが出現するBメロ、そして物悲しさが全開のサビ、と展開していくところがこれまた素晴らしいと思う。

そして、2番の後のギターソロが個人的にめちゃくちゃ好き。物悲しさと激しさの二つを同時に表現している、とでもいうべきか。とにかく、凄まじい演奏である。何気にライブでも聴きたい曲です。

 

間奏を終えて歌詞に戻るが、この絵描きに共通していたのは、結論から言うとこういうことだ。

宝物は何だっけ?
思い出せず苛ついて 折ろうとした筆が こう言った気がした
「ずっと見ていたよ 絵が好きなんだろ?」

大好きな「絵を描くこと」。それなのに、僕はいつのまにか「売れること」「人に認められること」にばかり気を取られるようになってしまった。確かに、物事を成功させるのは大切なことだ。でも、そんなことよりも、ずっと大切なことがある。それは、「好き」だという気持ちを忘れない、ことだ。そして、その気持ちを裏切らないために、自分の好きな絵を描き続けたい、そう思うことが大切なんだ。

そう思い続けることで、僕はきっと、素晴らしい絵描きになれるはずだろう?

 

ラスサビでは今までよりも、藤原さんのボーカルが急に激しくなり、自身に満ちた強い声で叫ぶ。

「ねぇ ほら 見てくれよ! 生きてるんだよ?
 だって 絵を描いてるんだぜ!? あなたにも見えるでしょう?」

そして、最後の最後の「ベストピクチャー♪」とファルセットを効かせるところも好き。

これもかなりの名曲だと思います。

 

 

4.続・くだらない唄

名曲です。 タイトルが「くだらない唄」なのに、全くくだらなくないです。(笑) 

そして、「グングニル」→「ベストピクチャー」→「続・くだらない唄」の流れで、歌詞が妙にリアルになっていくところが、何とも言えません。(笑)

まず、イントロのエレキギターから、切なくて堪らない。そして「Opening」以来再びアコースティックギターが登場し、静かな雰囲気でA、Bメロが歌われるが、サビに入ると一気に切ないメロディーラインを作り上げる。直井さんのベースが、とてもいい味をだしています♪ そして、間奏のギターソロ。前曲に引き続き、この曲も迫力があって素晴らしい演奏だ。

 

この歌詞は、1stアルバムの「FLAME VEIN」に収録されている「くだらない唄」とつながっている。「くだらない唄」では、数年前に「あなた」と、この曲に出てくる丘と同じ場所で絵を描いていたが、やがて二人は大人になり、別々の道を歩むことになったのだ。ちなみに、これがラスサビの歌詞だ。うっ、切ねぇなぁ......。(泣)

かみさまぼくはふるえてる 背広もネクタイも見たくないよ
Tシャツに昨日しみ込んだ タンポポの匂いが忘れられない
昨日のおかで一人きり あなたが来るのをひたすら待った
来るはずないのわかってた 僕はまだ震えてる 

そして、数年たった「続・くだらない唄」。あれから都会に出た主人公は、そこで挫折を繰り返したのか、また同じ丘に戻ってきたのだ。

数年たった今でも、美しい丘の景色は変わっていない。それなのに、あれから幾重の失敗ばかりを繰り返してきた僕は、あの景色とあの頃の思い出から、僕一人だけが取り残されてしまうような気がしたんだ。

この手は 振れない 大事なモノを落とし過ぎた
この眼は 余りに 夢の見過ぎで悪くなった

あの日と違うのは 僕だけ

「ここで手にした”輝かしいどうのこうの”に、それよりも輝かしいあの日が、見事に壊されていくようで、怖くって」。何度も確かめてみたんだ。「この手に、今まで掴ませた願いのカケラも。この眼に、今まで睨ませた明日の行方も。」そのすべてが壊されちまうのか。そのすべてが間違っていたのだろうか。

 

それで、半分ジョークで、いっそ死んでしまおうかと思いながら、ヒモをぶらさげ台に立ってみたとき、「マンガみたいな量の、涙が溢れてきた」んだ。そのとき、急に昔のことを思い出しちゃったみたいだ。数年前もこの場所でこっそり泣いたよな。「”あのコにふられた”だとか、可愛いもんだったけど」さ。

だけど、僕は気づいたんだ。数年前と同じように、朝日を待って、手を振ろうとしていたのを。昔の僕と、何も変わっていないというのを。

この手が ゆっくり 僕の右上で弧を描いた
この眼が 辛うじて 飛んでいく綿毛を見送った
この手が 今まで 落としてきたモノは拾えるかな
この眼が 今でも ギリギリで見えていて良かった

時が移っても、すべてが変わってしまうわけじゃない。

あの日と変わらない、ちょっとの悲しみや憂欝、そして「何よりもデカイ希望」が、僕の胸には確かに残っている。だから僕は、まだまだやれそうな気がするんだ。

あの日と違うのは
ヒゲの生えた顔くらいさ

最後にもう一度言いましょう。名曲です。

 

 

5.ランプ

バンプの記念すべき1stシングルで、ファンからは人気の高い曲です。

アコースティックギターアルペジオと、直井さんの渋いベースから始まり、急に出現する激しいエレキギターとドラム。そしてサビで転調し、力強い歌詞とさらにマッチする。また、Cメロの「君が~♪ 強く~♪ 望みさえすれば~♪」から、間奏のギターソロ、一旦静かになってアコギのみのAメロに戻るも、ここでもまた激しいバンド音が出てきて、ラスサビに行くと同時にどんどん盛り上がっていく (特にこの部分の升さんのドラムは、本当に聴いていて気持ちいい) 。一曲の中で、静と動の、緩急の波を味わうことのできる、これもまた名曲だ。初期のバンプならではの、情熱に満ちた曲である。

 

そして歌詞。これは、アルバム前半のまとめって感じかな。

思いつく限りの夢や理想を
残らずポッケにつめこんできた
ポッケに開いてる穴を見つけて
泣き出す瞬間呼びかける声

「ハローハロー聞こえるだろう?
君の中にずっと居たんだよ」
大丈夫大丈夫 いつも一緒だよ
君と生きる情熱のランプだよ

約束しろよ ハートのランプ
もう一度僕を歩かせてくれ
「変だな僕は君自身だよ
自分が信じれないのかい?」

夢や理想 愛 安心の類
それを手にするチカラが情熱

「君が強く望みさえすれば
照らし出そう 温めよう
歩くタメの 勇気にだってなるよ」

もうね、これらの歌詞が、すべてだと思います。

自分がくたばりそうな時に、いつも一番傍にいて助けてくれるのは、なんだかんだで「自分」なんだ。

自分を見失いそうになっても、目の前にどんな壁が立ちはだかっても、決して諦めるな。

君の中の君が、「夢」「理想」「愛」「安心」の類、そしてほんの小さな「情熱」を離さずに守り続けていたなら、それらは決して君の前から姿を消したりはしない。

さあ、「今にもランプに火を灯」そう。挫折から立ち上がるたび、僕らはどんな道でも歩けるから。

こうして読むと、「グングニル」「ベストピクチャー」「続・くだらない唄」にも通ずるものがありますよね。先述の3曲のように、いろんな場所を彷徨っても、結局最後はこの「ランプ」に戻ってくるんじゃないですかね。それを繰り返すからこそ僕らは、生き続けることができるのかもしれませんな。

まあ、一回通して聴いてみれば、すぐにその意味がわかるかと。

 

6.K

これまた、ファンからの人気が非常に高い曲。

今回のお話の主人公は、一匹の黒猫。その姿から黒猫は、人々から不吉だと扱われ、忌み嫌われていた彼は、いつもひとりで過ごしていたのだ。

孤独には慣れていた 寧ろ(むしろ)望んでいた
誰かを思いやる事なんて 煩わしくて

まあ、だいたい、こんなかんじで。

しかし、そんな猫がある日、若い絵描きと出会った。なんと彼はその腕で、嫌な顔ひとつせず猫を抱きあげたのだ。ずっと、敵対すべきだと思っていた人間に、生まれて初めてもらった優しさ、温もり。最初は、「人間が俺に優しくするなんてありえない。きっと何かのワナだ」、そんな風に思い、怖がって必死で逃げようとしていた猫だが、結局、彼 (“変わり者”っていう表現が、何故か好き♪) の家で引き取ってもらうことになったのだ。

そんな猫を抱き上げる 若い絵描きの腕
「今晩は 素敵なおチビさん 僕らよく似てる」

腕の中もがいて 必死で引っ掻いて 『孤独』と言う名の逃げ道を

走った 走った 生まれて初めての
優しさが 温もりが まだ信じられなくて

どれだけ逃げたって 変わり者は付いて来た

それから、名前のなかった黒猫は、絵描きに「ホーリーナイト」という名前をつけられた。更に、彼は親友である黒猫だけを絵に描いて、すぐに黒尽くめになってしまったスケッチブック。黒猫も、「この人は、本当に俺のことを、友達として見てくれているんじゃ......?」と少しずつ信じ始めた。しかし、そんなある日、彼は貧しい生活に倒れてしまう。「僕の恋人に、この手紙を届けてくれ」という言葉を残され、猫は唯一の親友であった絵描きを亡くしてしまった。

不吉な黒猫の絵など売れないが それでもアンタは俺だけ描いた
それ故 アンタは冷たくなった 手紙は確かに受け取った

絵描きは、自分の命を削ってまで、黒猫のために尽くしてくれた。

だから、この恩だけは、例え自分が死ぬことになったって返さなければならない、と黒猫は手紙を口にくわえ、恋人の元へと走っていった。

そして、間奏に激しいギターソロを挟む、という演出が何とも言えぬ。(笑)

 

“罵声や暴力”が襲い掛かっても、助けてくれる者はいなくても、構うものか。

俺には、友との約束が、絶対に果たさなければならない使命がある。

ホーリーナイト”『聖なる夜』と 呼んでくれた
優しさも温もりも すべて詰め込んで呼んでくれた
忌み嫌われた俺にも 意味があるとするならば
この日のタメに生まれて来たんだろう どこまでも走るよ

今まで誰にも愛されなかった俺を、心の底から想ってくれた人がいるから。

俺は、今、この時を生きて、走り続けるのさ。

そんな黒猫と絵描きの、「悲しくも美しく、何にも負けぬ強い友情」を歌ったお話だ。

 

そして、個人的に、というかバンプのリスナーとして、一番最後の歌詞に注目してほしい。

手紙を読んだ恋人は もう動かない猫の名に
アルファベット一つ 加えて 庭に埋めてやった
聖なる騎士を埋めてやった

「聖なる夜」「Holy night」は、タイトルの「K」というアルファベットをひとつ加えられ、

「聖なる騎士」「Holy Knight」となったのである。

本当に、この詞を書いた藤原さんは、天才だと思いました。間違いなく名曲です。

 

 

7.リリィ

これね、もう、ほんとうに大好きな曲。

メロディーといい、歌詞といい、初聴き当時から、僕の琴線に触れてしまった。

なにがって? 「歌詞を読みながら、自分で確かめろ!」と言いたいところですが、それではレビューにならないので、歌詞を引用しながら、じっくり読んでいきましょう。

スポットライトの下 自分を叫び唄った
思う様に伝わらなくて その度にこぼれる弱音を
「今はマズい!」と慌てて その場は巧く隠して
真夜中 鍵かけた部屋 膨れたポケット裏返すと

ホラ 出てくる弱音の数 1日分 想像つくかい?

「大言壮語も吐いてやろう」そういう歌も唄った
心の中 鍵かけた部屋 その歌が ドアを叩き続ける

「出てこいウソツキめ!」と 自分の歌に格好悪く脅されるんだ

A、Bメロから早速、殺しにかかる。(笑)

「殺しきれない弱音」があふれる毎日。「それを隠すためのウソ」でなんとか振り払おうとするけど、結局は、自分で自分の心を攻撃してしまう。

どうにもならない絶望感。これが、男の辛さ、というものです。

しかし、サビは......

ところが君は笑った 幸せそうに笑った
当然僕は怒った「真面目に聞けよ!」って怒鳴り散らした
それでも君は笑った「かわいいヒトね」と言った
叫んでも 唄っても その一言には 勝てる気がしない

ところが君は笑った「格好いいよ」と言った
これだけ僕が愚痴っても 僕の目を見て そんな言葉をくれた
「そういうトコロも全部 かわいいヒトね」と言った
ツクっても 気取っても その一言には 全て見られていた

マジで殺す気かよ、おい。 

そんな素直に、本気で、必死に悩める貴方って、かわいいヒトね」という。

これがなんか、僕自身に重なってしまって、ちょっと辛くなる。(笑)

でも、自分は確かに、情熱を灰になるまで燃やして生きている。そして、自分を好きになれないからこそ、必死で生きようとしている。そうやって前に進み続ける人の姿が、彼女にとっては、自分を目に映す誰かにとっては、「かわいいヒト」だし「格好いいヒト」なのである。それを知るたびに、人は強くなることができるんだと。

それにしても、たったひとつの笑顔でそれを教え諭すなんて、女は恐いなぁ。(笑)

 

あと、間奏のギターソロもやっぱり最高。なのだけれど、さらに最後の歌詞で、ドドメを刺す。

終電を告げる放送 慌てて駆けて行く人
右手に君の左手 もう離さなきゃ・・・・・・

彼女とのお別れのとき。この女々しい歌詞が、秀逸すぎる。

でも、僕は君がいたからこそ、もっと自信をもって、生き続けようと思った。

改札を抜けるとき「最初で最後のヒト」
そんな言葉が浮かんだ 言わないで 行くとしよう

最後に振り返ろう 確かめたいコトがあるんだ

だから、これから襲いかかる辛いことだって、もう怖くなんかない。

今なら「新しい明日」に怯えず、僕はあの駅の向こうまで、堂々と歩いていけるから。

やっぱり君は笑った 別れの傍で笑った
つられて僕も笑った「また会えるから」って確かめるように

 全部、君が教えてくれたことだから。どこまでも、なくさずに持っていくから。

やっぱり僕は唄うよ もう一度叫び唄うよ
今まで一度も使うことのなかった 言葉を混ぜて

スポットライトの下 低いステージの上
改札で言わなかった あの言葉に もう1つ言葉を混ぜて

ありがとう。バイバイ......。

最後に、もう一言だけ、君に言わせてください。

こう呼ばせてくれないか「最初で最後の恋人」
この歌が 部屋のドアを叩きに来たって 胸を張れるから

 

これはもう、超名曲だと思います。

一人で泣きたいときにでも、どうぞ、聴いてください。(^^)

 

 

8.Ever lasting lie

ええ。この曲には、躊躇いなく言っていいでしょう。「神曲」です。

エレキギターアルペジオを主体とした、ロックバラード。

 

タイトルは、英語で「永遠の嘘」という意味。

これは、8分を超える大作であり、とあるふたりの男女を主人公とした、切なく壮大なラブソング。

事情は少し複雑すぎるが、彼らには多額のお金が必要となり、男の方は切羽詰まった状況の中、「石油でも掘る以外 無いんじゃないの?」という誰かの皮肉を本気にして、浜辺に向かい、シャベルを両手に石油を掘り始めたのだ。

全ては、彼女を救うためである。

彼は、来る日も明くる日も、砂の上、必死で戦い続けた。しかし、

でも 掘り出したのは 長い年月

「Sir Destiny、アンタ、人の命を転がして 大層楽しいだろう?
笑えよ 見てるんだろう? この俺がジタバタもがいてるのを」

サビで転調して、藤原さんは叫ぶように歌う。

おそらく、自分たちが結ばれないことは、彼自身もわかっていた。

しかし、彼の心の中には、いつでも「愛する女性」がいて、その愛の深さは、決して「運命の残酷さ」なんてものに負けてはならなかったのだ。

そして彼は、そのまま諦めることなく、生涯をそのシャベルに注いだのだ......。

 

そんな彼に対し、彼女は、

愛するあの人は 優しく嘘をついた
「二人は大丈夫 明日を信じて待っていてくれ」
「信じられる要素なんて どこにあるの?」 って
思いながらも その言葉を おまじないの様に


呟き続けた 長い年月

「Sir Destiny、アナタでも この気持ちは動かせないでしょう?
幾度目の朝も 変わらず 優しいあの嘘を 思い出してる」

彼のセリフを「優しい嘘」だと知りつつ、彼女はいつまでも彼を信じ続けた。

ただ、この場合の「信じる」というのは、「そのことを真実だと確信すること」ではない。

自分の心に嘘をつかずに、誰かを想うという気持ちを心の中で抱きとめる」ということだ。

そうだとするなら「夢を掘る人 それを待つ人 定めよりも 互いを信じていた」ということに間違いはなかったのだ。ふたりの愛は、「運命」でさえ壊せなかった。

 

そして、間奏部分。ついにここで、藤原さんと増川さんのギターが、暴れ出す。

そこでの「Ever lasting lie~♪」という歌詞カードに載っていないフレーズが好き。(笑)

2分以上にわたる、長くとも迫力と狂気に満ちた、ギターソロが披露される。

これは「長い時間の流れ」を表していて、その通り、愛し合う主人公ふたりの間に、単調に、そして残酷に過ぎていく年月を強くイメージさせられる。

先述したとおり、結ばれることなど決してないと、自分自身がわかっていたはずだ。

それなのに、必死で彼女を救おうとする彼。ひたすら彼を待ち続ける彼女。そんなふたりを引き裂こうとする運命。何も言わずにふたりを連れ去っていく時間。

にも関わらず、ふたりは何十年という長い年月の中でも、「信じる」という名の愛を育みつづけたのである......。(いやあ、すごいわ、バンプ。この記事にこんな言葉が出ちゃうなんて。/笑)

 

そして、ある日。とうとう「優しい長生きおばあさん」となった彼女が、永遠の眠りについてしまった。毎日彼のことを想い、待ち続けた彼女。しかし、ふたりの約束が果たされることはなかった。

それなのに、彼の方は相変わらず、シャベルをもって「夢」を掘ろうとする。

「Sir Destiny、アンタ、俺を見てるか
「もう飽きた」 なんて 言わせないぞ
今にも 夢を掘り出して 見事悔しがらせてやる」 

「Sir Destiny、俺の夢ってなんだったっけ?
何が ここまで俺を動かしていたんだっけ?
大事な何かを待たせていた様な…」 

彼は長い年月の中、彼女との愛を引き裂こうとする「運命」にギャフンと言わせるため、彼はシャベルをその手に握り続けた。そして彼女の亡くなってしまった今。

彼は彼女との、「石油を掘りだし彼女を救う」という約束を忘れてしまったのだ。

大切な目的を忘れてしまい、ひたすら「夢」を掘り続けている彼。

本当に切なくて切なくて、こっちまで泣きそうになります。

 

しかし、長い時間を経て、ふたりの愛は完全に消えてしまったのだろうか。僕はそうは思わない。

「彼女をなんとしても救いたい」という彼のたくましい決意。

「いつまでも彼を待ち続けたい」という彼女の相手を信じる気持ち。

これこそがふたりの愛の「形」となり、それが確かに彼の心を動かした。

そして今。その愛は「彼の夢を掘り出したい」というものに形を変えてしまった。

しかし、今もなお、彼の背中を押し続けているのは、「ふたりの愛」そのものであり、「中身」は一切変わっていないのだ。そしてきっと、今日も彼はあの砂浜で、「愛」というシャベルを両手に「夢」を掘り続けているのであろう。そして彼女は、そんな彼のことを、あの世で微笑みながら、見守っているのかもしれない。

 

これが「Ever lasting lie」。切なくも、強く美しい、愛の物語。

 

夢を掘る人 それを待つ人
幾つもの夜を 乗り越えた嘘

 

 

9.グロリアスレボリューション

とうとう、このアルバムにおける最後の「物語」となった。

シンプルで、いかにもやる気に満ち溢れているような、そんなギターロック。

 

この曲はタイトル通り、「革命」がテーマになっていて、

どちらかというと、これは「世間への革命」ではなく、それこそ「自分を変えるための革命」をバンプは応援したいのだと思う。

まさにインディーズ当時の彼らだったからこそ、自分と同じ世界で生きている人間の背中を押したかったのかもしれない。

 

そして、歌詞。これが本当に名言集なんです。とりあえず、延々と引用していきましょう。

胸を張って誇れるモンが 自分にどんだけあるのかって?
名前と誕生日と キュートな指紋ぐらいあれば充分だろう

呼吸をしてんだ 世の中のスミ 小さく でも確かに

弱音という名の地雷原を 最短距離で走ってこい
自信という名のスーツは 大層丈夫な造りだから
凡人の一般論は アイロンかけて送り返せ
震えてるのかい?そいつは武者震いだろう

いつまでつけてんだい? その自前の手錠をさ

いつになりゃ気付くんだい? カギも自前だろう?

その耳に何が聴こえるの? 「I'm a loser」? 願わくば「We are the champion」?

僕らは誕生し、名前を授かり、今でも当たり前のように呼吸をして生きている。

そんな人間が、世界中の生き物が、どんなに壮大で尊いものか、計り知れるはずがない。

その全てを詰め込んでいる世界はこんなに広いのに、なぜ自分は、こんな狭い場所で、こんなつまらないプライドに支配される必要があるのか。

そうさ、人間というのはもっと「強く」、もっと「自由」であるはずの存在なんだ

今こそ、その幻の手錠を壊して、ぶん投げて、広い世界に飛びだとう!

 

いやはや、本当に名曲である。

しかし、藤原さんの歌詞はこれだけでは終わらないのだ。

ラスサビの歌詞を読んでみると、実に衝撃的な展開が待っている。

グロリアスレボリューション
なんだコレ オレにもついてるじゃねぇか エラく頑丈な自前の手錠がさ
グロリアスレボリューション
まいったな コレ とれねぇしよ カギも多分 失くしちゃった

なんと。あれだけ「自分に革命を起こせ」と歌っていたバンプが、いきなりこんなことを言う。

「結局は、自分にもその手錠がついていて、それを外せなかったんだ」と。

僕は先ほど、バンプは「自分と同じ人間を応援したかったのかもしれない」と書いた。

しかし、そんな中、バンプは気づいてしまったのだ。

「他人を思い、応援するためには、まず、自分自身が変わらなければいけない」と。

 

その通りなのだ。

ましてや当時の彼らは、メジャーデビューという「夢」を追っていた男。もしかしたら、この曲には、

「もっと有名になって、もっと沢山の曲を書いて、もっと沢山のステージに立って、もっともっと歌い続けて......そうして完成した唄を、君に聴かせてやりたいんだ。」

というリスナーへのメッセージが込められていたのかもしれない。深読みしすぎと言われればそれまでだろうが、改めて読むと、僕にはこんな風に聴こえてならない。

そんな強い「意思表明」の曲を、あえて「最後の物語」とし、

これまでのいろんな主人公の物語を、自分自身に重ね合わせたのだと僕は思う。

よく頑張ったよ、バンプ。君たちの唄は、確かに俺の心に響いたぜ。

 

こういうケースもあるという リアリズム
そんな目でオレを見んな

このフレーズ、可愛すぎて毎回吹きそうになる。(笑)

 

 

10.Ending

とうとう、全ての“物語”は終わりを告げ、1曲目「Opening」での男性と再会する。

これも1曲目「Opening」と同じ、アコースティックギターの弾き語りナンバー。

激しいストロークの中、藤原さんはこう歌う。

ええと、うん、大丈夫!
君はまだ 君自身をちゃんと見てあげていないだけ
誰だってそうさ 君一人じゃない
そりゃ僕だってねぇ・・・・・・-まぁ、いいや

最後の最後で、この最高の名言......!

そうだった。今までの物語の登場人物だって、最初は、自分自身のことなんてみんな、わかったフリしてちゃんと見てはいなかった。

だけど、一歩前へ踏み出すたび、新しい自分に出会うことができた。

思い返せばそうだった。「グングニル」「ベストピクチャー」「続・くだらない唄」「ランプ」「K」「リリィ」「Ever lasting lie」「グロリアスレボリューション」。この8つの物語の中で、主人公たちはそんな自分を形作るカケラを、少しずつ見つけ、少しずつ集めていった。

そうして、誰かを勇気づけることのできる、そんな“自分だけの物語”が、1つ1つ完成していったのだ。

少なくとも 君には味方がいるよ
プレゼントの物語の中の住人達
さぁ、これから何をするんだい?

だから、この男性も、物語の住人達も、藤原さんも、バンプオブチキンも、

「ここから一歩前へ踏み出すことで、君(リスナー)が一生誇れるような、そんな生き方を応援していきたいんだ。」

ということを伝えたかったのである。これこそが本作のコンセプトである。

 

だから僕は、今までしつこく何度も「名曲」「名盤」と言い続けたわけです。

僕自身、このアルバムに何度も励まされ、生きる希望をもらいました。

ほら、今度はあなたの番です。

僕はもう行かなきゃ

ほらまたどこかで 涙の落ちる音

 あなたにとってこの記事が、このアルバムとの出会いになることを願っております。

 

 

おまけ

隠しトラックでは、バックで演奏が流れつつ、

増川さんがメンバーにひたすらイジられるという内容が流される。

これは増川さんが、風邪を引いた時に見た夢の話が元になったそうで。


「おいヒロ(増川)!ぬるぬるしようぜ!」

 

「ホセ(増川)この前エロ本拾った!」「拾った!」「いっぱい」

「拾ってねぇよ」

「今度神社にエロ本拾いにいこうぜ」

 

「ゴメンなさい…」

 

おいおい。(^_^;)

全くもって、幸せホヤホヤなメンバーである。