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Mr.Childrenやスキマスイッチ等のレビューを。

スキマスイッチ 「夕風ブレンド」

スキマスイッチ

どうも、ゾロアです。

すみません。ここんとこ忙しかったので、随分更新に間が空いてしまいました。

前回の「Q」は4月だったっけ......? 3ヶ月ぶりですね。

本当にすみませんでした。m(_ _)m

 

さて、今回レビューするアルバムは、こちらです。

夕風ブレンド (初回限定盤)(DVD付)

夕風ブレンド (初回限定盤)(DVD付)

 

 《収録曲》

  1. ガラナ(album ver.)
  2. スフィアの羽根(album ver.)
  3. 惑星タイマー(album ver.)
  4. 月見ヶ丘
  5. 空創トリップ
  6. ボクノート
  7. ズラチナルーカ
  8. 糸ノ意図
  9. アカツキの詩(album ver.)
  10. アーセンの憂鬱
  11. 願い言
  12. 1+1

 

 

はじめに

「夏雲ノイズ」「空創クリップ」の二枚のオリジナルアルバムを経て、2006年秋に発売された、本作。スキマスイッチの3rdアルバム、「夕風ブレンド」です。

このアルバムは、ファンの間でも人気の高い作品となっています。

その要因はおそらく、1曲1曲の完成度の高さ。シングル曲はもちろん、アルバム曲も「藍」「ズラチナルーカ」「糸ノ意図」「アーセンの憂鬱」などなど、アレンジ、歌詞、大橋くんの歌声、シンタくんのピアノのフレーズ、などの全てにおいて、素晴らしい曲ばっかり。スキマスイッチを知らない人には、当然、他にもいいアルバムはあるのだが、とにかく、まずはこのアルバムを一聴してもらいたい。多分、一瞬にしてスキマスイッチにハマるから。絶対に絶対に買って損はしないから。全13曲、一枚のアルバムの中に、数々の「名曲」が詰まっています。要するに、単刀直入で名曲揃いなのです。「何なの! このクオリティーの高さ! やっぱりスキマスイッチは格が違うな~」。そう思わせてくれる、名盤です。

 

じゃ、全曲解説コーナーへ、レッツゴー♪♪

 

 

 

1.藍

名曲中の名曲。

まず、イントロの、シンタくんのピアノと、大橋くんのアコギの音色がいい。

 

そして、歌詞だ。これがもう、本当に最高に素晴らしい。だって、ほら......、

恋愛の成功率はね 散々でね いつだって成就しないまま

とはいえ好きなっちゃうんじゃ もう嫌になるよ

どうかいなくなれ こんなんなら存在時代よ消えちまえ

そう思ってどのくらい経つだろう

最大の問題点はね 現状じゃね どうしようもない関係だね

そのうえ会いたくなるんじゃ もう嫌になるよ

どうかいなくなれ こんなんなら存在自体消してしまえ

来週はいつ会えるんだろう

もう、切ない。切なさすぎる。歌詞が、もうマジで泣けるよぉ~。 ゚(゚´Д`゚)゚。

なぜここまで切ないかって、実は、僕にも過去にそういう経験があったから。小6の時、クラスに好きな女の子がいて、ずっと片思いだったんだけど、いつの間にか、そのことが周りにバレちゃって、大変な目に遭ったことがある。もちろん、それは片思いのまま、「失恋」という形で終わってしまったのだが、それよりも何よりも、他人を好きになったことが周りにバレて、それで馬鹿にされたり冷やかされたりしたことの方が、もう死ぬほど辛い。今でも思い出してて胸が痛い。そして、この曲を聴くと、どうしてもあの辛い出来事を思い出してしまう......(´;ω;`) おっと、すまない。少々脱線してしまった。

だから、「とはいえ好きになっちゃうんじゃもう嫌になるよ」「どうかいなくなれ こんなんなら存在自体よ消えちまえ」という気持ちは、すごくわかる。人を好きになっては傷ついて、それでも忘れられなくて、そんな感じの無限ループ。恋ってそういうもんだ。だから辛いんだ。それならいっそ、この「好き」という感情ごと、消えてしまえばいいのに。そうすれば、ここまで傷つかなくてもいいのにね。でも、やっぱり、君のことは忘れられないままで......。

ねぇ、僕らいつ会えるの?

バイ。もう、涙が止まらない。゚(゚´Д`゚)゚。 

こんな素晴らしい歌詞、スキマスイッチ以外には絶対書けないと思います。というか、スキマスイッチでもこんな詞が書けるなんて、思ってもみませんでした。本当に、この曲に出会えたことを感謝します。

 

愛すべき人は運命的に決まってるって それが本当なら

視界に入ったものすべて受け入れてしまえばいいんだ 解っちゃいるんだよ

大通りのど真ん中を歩けるような僕じゃないから

大抵足元を気にして生きてる

 

 

2.ガラナ(album ver.)

「藍」とは打って変わって、今度はアップテンポなポップナンバー!

映画「ラフ」の主題歌に起用された、8枚目のシングル表題曲です。このシングルは、スキマスイッチにとって「初のオリコン1位」を記録しました。今では、スキマスイッチの代表曲の一つであり、ライブでも度々演奏される定番曲にもなっています。

 

これも恋愛ソングですが、こちらは聴いていて元気が湧いてくる熱い歌詞です。

"要は有言実行"...出来るなら苦労はしねぇ

実際そうはいかんよ? 君を前にしちゃきっと固まってる

肝心なとこでいつだって臆病の虫が泣き出して

一歩前に踏み出せずに情けないぜ 何してんだ!

片思いの人に告白したいけど、躊躇う気持ちが強くて、やっぱりできない......そんなよくあるシチュエーションだが、この曲は、そういう人の苦悩や迷いを丁寧に描き、密かに「片思いの辛さ」とかいう切ない雰囲気も出して歌われます。サビのストリングスの旋律が、その雰囲気をより奮い立たせている。

しかし、それと同時に、

フルテンだ」「ビビるんじゃねーぞ エンジン全開だ!」と大橋くんがシャウトし、しまいには

カッコなんか気にしなくていいや この想いを止めるな!

この想いよ、負けるな!

と、そんな人へのエールも堂々と歌い上げてしまう。

切ない歌詞で共感してもらうと同時に、「さあ、頑張ってこい!!」と強く背中を押し、リスナーに元気を与えてくれる、そんなアツイ楽曲です。

いやぁ、さっきの「藍」とは正反対ですねぇ。(笑)

でも、「藍」→「ガラナ」って、前向きになっていく流れがいいですよねぇ。

ちなみに、大橋くんはレコーディングの時、この曲を上半身裸で歌ったそうです。(笑)

 

アルバムバージョンは、シンタくんの、ピアノの後奏が追加されています。

曲全体の余韻を残しつつ、そのまま、次曲「スフィアの羽根」へ繋がっていきます。

 

 

3.スフィアの羽根(album ver.)

ガラナ」のカップリングで、2006年の「夏の高校野球」統一テーマソングです。

というか、甲子園タイアップの曲がカップリングとは......! 個人的には、「ガラナ/スフィアの羽根」という感じで、両A面で出せば、売上はもっと伸びたと思うんだけど。それとも、「商業的になるのはイヤ」というスキマスイッチの意図でしょうか。

とにかく、カップリングにしては、完成度が高すぎる曲。

 

このアルバムバージョンは、最初の一音だけ原曲と音程が違っています。実はこれ、「ガラナ」のピアノの後奏と、音が繋がっているのです。アルバムならではのこういう工夫は、個人的には大好きなので、「おおっ!」となってしまいました。(^^;

爽やかな曲調で、いかにも「夏の高校野球」っぽくて、こちらも聴いていて元気が湧いてきます。個人的には、Bメロの徐々に盛り上がっていく感じのメロディーがすごく好きです。そこからサビに繋がっていくところで「キタ━(゚∀゚)━ッ! 」ってなっちゃいます♪♪ あと、間奏の、転調したストリングスと、大サビ前の綺麗なコーラスも、いい。

 

「飛び散った不当な昨日にサラバ」

僕はまだ始まってない スタートだろ?」

「待ってないでラインに立って顔を上げて這い上がれ」

「掴み取るんだ 栄光に羽ばたいて、さあ! 行けるとこまで行くのだ」

うむ、歌詞もアツイぜ......!

 

時には手に負えない孤独も

「どうってことはないさ」って呟いて消し去れたら

 

このバージョンは、最後にオーケストラの演奏が追加されています。

そしてまた、次の曲「惑星タイマー」へと繋がっていきます......!

 

 

4.惑星タイマー(album ver.)

「福耳 (オーガスタのアーティストによるスペシャルユニット) 」に提供した楽曲のセルフカバー。2006年、夏のオーガスタキャンプで歌う曲を、と事務所に依頼されて作った楽曲です。2006年夏ということで、「ガラナ」「スフィアの羽根」と同じ時期に制作された曲となります。詳しくは後述しますが、締切はほぼ同じ、3曲同時進行だったようです。そういえば、どれも「夏の歌」って感じだし。(だから、「ガラナ」→「スフィアの羽根」→「惑星タイマー」って音が繋がっていたのかな?)

 

このアルバムバージョンは、ピアノとオーケストラの静かな演奏。

シンタくんのピアノのイントロから始まって、始終、オーケストラの演奏が穏やかで綺麗な旋律を生み出していく。あからさまにではないが、サビの「君だけを乗せ~♪」からの徐々に盛り上がっていく感じが、聴いていて心地良い。そして、Cメロで、静かな雰囲気からガラッと変わっていくところで、少しスリル感が湧く。あと、ラスサビの「流星群みたいに降る夢~♪」のところのピアノの激しい演奏も、また聴きどころだ。個人的には、このオーケストラバージョンの方が好きだし、願わくばライブでの生演奏も聴きたいな、とも思う。

 

「彗星」「オーロラ」「太陽系」「北極星」「星座」「流星群」「宇宙」。

綺麗な夏の星空を二人で見ている、そんなロマンティックなイメージの湧く曲です。

 

愛情がどうとか言葉だけじゃわかんないや

僕らはまだ希望(ひかり)すらそこにあるか知らない

ならば、創造したいなぁ

 

 

5.月見ヶ丘

大橋くんのアコースティックギターが、実に穏やかな雰囲気を生む楽曲。

 

歌詞も、聴いていてまったりできるラブソング。

すさんだ毎日がすぐに君の笑顔で洗われていくよ ほら

憂鬱な月曜日も 今では好きになったよ

いつもおいしいものを君が作ってくれる

君のイヤなことも僕が食べてあげられたらいいのにな

食いしん坊な僕だけど サンダルにジーパンだけど

君と過ごしているこの瞬間だけは輝いていられるんだ

誰も邪魔しないでよ 月もむこう向いていて

日常的で純粋なラブソング、といった感じだろうか。

個人的には、スキマスイッチのラブソングでも、かなり好きな方の部類に入ると思うのだが、どうだろう? とにかく、歌詞が秀逸すぎる。「君のイヤなことも僕が食べてあげられたらいいのにな」というところで、いつも泣きそうになってしまう。純粋に、相手への想いを綴った曲、という感じがして、個人的には大好きな曲の一つだ。

あと、最後の部分は、「月見にまで来ておいて、最後の最後に、"月もむこう向いていて"はないだろう。(笑) 」と笑ってしまった。これも、スキマスイッチの"遊び心"か?(笑)

 

ちなみに、コーラスがやけに巧いなと思ったら、なんと小田和正さんが参加していました。

間奏の、「フゥー♪」の繰り返しには、脱帽です。

 

 

6.空創トリップ

『TOUR'06 “空創トリップ”』で「ボクノート」を演奏する前に流れていたインスト曲。

シンタくんのピアノと、ストリングスのみの演奏です。

前半は、淡々とした感じのピアノソロ。実に和ましい音色だが、

後半になると、ピアノの演奏が激しくなり、美しい旋律のストリングスが出現する。

この、急に盛り上がる展開や、純粋に綺麗な演奏に、不思議と感動を誘われる。

1分半の静かなインスト曲だが、聴く価値は十分にあると思う。

 

そして、次曲「ボクノート」のイントロへと繋がっていくところが、また素晴らしい。

アルバムを1枚通して聴いてみると、また「新たな感動」を体感することができる。

 

 

7.ボクノート

名曲。

映画『ドラえもん のび太の恐竜2006』主題歌にもなった曲です。

あの映画は、何度もレンタルして観ました。ラストの、ピー助を故郷に送り返して、タイムマシンで未来に帰っていくシーンが、もう感動的でした。゚(゚´Д`゚)゚。  「友情」や「仲間との絆」がテーマになった、本当に「泣ける名作」です。そして、エンドロールに「ボクノート」って、最高のタッグですよ。未だ観ていない方は、是非ご覧下さい。

 

もちろん、楽曲自体も本当に素晴らしい。

まず、イントロのピアノとシンセサイザーの音からもう泣きそう。「ふぅ~うぅう~~♪♪」って、穏やかな感じの音色がすごくいい。というか、このイントロのフレーズは、スキマスイッチの曲で一番好きかも。で、1番のA、Bメロはそのまま静かに歌われるのですが、サビで転調して、その転調したキーのまま2番に入っていく。つまり、「サビで転調して、そのまま戻ってこない」というちょっと特殊な曲なのだ。そういう実験的な要素も兼ねて、全体的に聴いていて心地良いメロディーラインが仕上がったのだ。そう言う意味では、「さすが、スキマスイッチ!」というしかない。やっぱり名曲だ。

 

歌詞は、「詞が書けない状況を、そのまま歌にした」とのこと。

作曲は割とスムーズに行ったけど、作詞でかなり手こずったらしい。シンタくん曰く、

年末ギリギリだったから、今すぐ作らないと間に合わない。それでもなかなか言葉が浮かんでこなくて。結局、年明けの完成披露試写会では、音もタイトルもないまま、「主題歌を担当するスキマスイッチです」とだけ紹介されて。ギリギリまで待っていただいた分、いい曲を作らないといけないって、だんだん追い込まれて……。

出典:<4>詞が書けない状況を歌にしちゃえ - スキマ・ノート - 朝日新聞デジタル&w

といった感じで。

そんな中、「詞が書けない状況を、歌にしちゃえ!」という話になって、そうして歌詞は完成していったとのこと。確かに、改めて歌詞を読むと、

考えて書いてつまずいて消したら元通り

12時間経って並べたもんは紙クズだった

何をしても続かない子供の頃の僕は

「これぞってモノ」って聞かれても答えに困っていた

そんな僕にでも与えられたものがあると言うんなら

迷い立ち止まった自分自身も信じていたいな

今 僕が紡いでいく言葉のカケラ

一つずつ折り重なって詩(うた)になる

キレイじゃなくたって 少しずつだっていいんだ

この痛みをただ形にするんだ

あぁ、確かにそれっぽい。

僕はミュージシャンという訳ではないが、こういう歌詞にはすごく共感した。

「感情」そのものは確かにあるのに、それを言葉で表すことができない。だから、誰にも伝わってくれない。それが怖いから、飲み込みざるを得ない想いがたくさんある。人間ならば、誰しもが経験したことだろう。でも、黙っているだけじゃ何も始まらない。他人に伝わってくれるはずがない。だから、綺麗な形じゃなくてもいいから、少しずつ形に変えて、一生懸命、相手に伝えてみるんだ。きっとこれでいいはずなんだ。だって、

探していたものは、目の前にあった

んだから。

 

あぁ、やっぱり名曲だ。

 

 

8.ズラチナルーカ

これも、ファンからの人気が高い曲。

 

本人曰く、「打ち込みっぽい感じを生でやる」というのがテーマとのこと。シンタくんのピアノのリフと、大橋くんのアコースティックギターの演奏が見事に絡みあい、それに切ない感じの大橋くんの歌声が乗る。そうして最後まで淡々と演奏される。全体的になんだかミステリアスな雰囲気で、聴いていてしんみりするようなどきどきするような、そんなちょっと不思議な感覚になる。この「ミステリアスな雰囲気」こそが、ファンのハートを掴んだのだろう。

また、アウトロの、「見ないで、見ないで、見ないで......♪」というコーラスを聴いて、無性に切なくなる。個人的には、特に「君がいて、僕がいる、泣かないで」というフレーズがお気に入り。そして、演奏とともにフェードアウトし余韻を残す、この巧みな演出が、また素晴らしい。個人的にも、「ライブで聴きたい曲」の一つだ。いつかこの曲の生演奏を聴ける日が来ればいいなぁ、なんてここに呟いてみる。(笑)

 

そして、歌詞だ。

ファンの間では「この歌詞の本当の意味は何だ!?」と議論が繰り広げられている。

歌詞を読んでみると、確かに、一見「何を歌っているのかよくわからない」くらい抽象的で謎めいたものになっている。なんとなくイメージとしては、「空港で、離れ離れになってしまう二人」を描いたものと連想できる。よく似たシチュエーションとしては「奏」といった感じか。僕もそういう切ない系の歌だと思っていた。

しかし、実は「広島の原爆」を歌った歌詞だという人もいる。最初は「?」となったが、実際に歌詞を読んで当てはめて見ると、驚くほど辻褄が合ったのだ。確かにそう言われると、「響きだした空の悲鳴 光が舞った 街が沈む」「つまらないきっかけ一つ それだけでホシは終わる」という歌詞にも説明がつくし

最後の瞬間待っているの? 小さな方が震えている

こんなんならもう未来なんか 来ないで

という状況だということも理解できる。

これを知った時は、恐怖のあまり鳥肌が立ったものだ。その瞬間、この歌詞には「戦争」というテーマが強く叩き込まれ、聴くたびに少しゾクッとしてしまう。それに、実際に本人も「原爆ドームを見て作詞した」と言っていますし。もし本当にそうだとしたら、「21世紀の反戦歌」として歴史に残すべきではないだろうか? (笑)

他にも、ファンの間ではいろんな説が流れている。しかし、歌詞の本当の意味ばかりは、作詞者本人にしかわからないことだ。本人も、「人によっていろんな解釈ができるように作った」と言っている。もちろん、最初の「空港で別れを惜しむ二人」だって間違ってはいないだろうし。この曲に限らず、スキマスイッチの歌詞は相当奥が深い。つまり、その歌詞をどう解釈しようが、聴いた人の捉え方次第なのだ。

見方を変えて聴くと、新たな発見ができることだろう。

 

 

9.糸ノ意図

イントロのアコースティックギターのリフと、サビの爽やかな歌声が印象的な曲。

ですが、着目すべき点は、何といっても歌詞にあります。なぜかというと、ズバリ、

この歌詞は、芥川龍之介さんの「蜘蛛の糸」という話が元になっているのです。

 

以下、あらすじです。(ウィキペディア引用)

釈迦はある日の朝、極楽を散歩中に蓮池を通して下の地獄を覗き見た。罪人どもが苦しんでいる中にカンダタ(犍陀多)という男を見つけた。カンダタは殺人や放火もした泥棒であったが、過去に一度だけ善行を成したことがあった。それは林で小さな蜘蛛を踏み殺しかけて止め、命を助けたことだ。それを思い出した釈迦は、彼を地獄から救い出してやろうと、一本の蜘蛛の糸をカンダタめがけて下ろした。

暗い地獄で天から垂れて来た蜘蛛の糸を見たカンダタは「この糸を登れば地獄から出られる」と考え、糸につかまって昇り始めた。ところが途中で疲れてふと下を見下ろすと、数多の罪人達が自分の下から続いてくる。このままでは重みで糸が切れるだろう。カンダタは「この蜘蛛の糸は俺のものだ。下りろ。」と喚いた。すると蜘蛛の糸がカンダタの所から切れ、彼は再び地獄の底に堕ちてしまった。

無慈悲に自分だけ助かろうとし、結局元の地獄へ堕ちてしまったカンダタを浅ましく思ったのか、それを見ていた釈迦は悲しそうな顔をして蓮池から立ち去った。

引用:蜘蛛の糸 - Wikipedia

まあ、そういった感じで。

多少内容が変更されている部分はありますが、まあ、「天に向かって白い蜘蛛の糸で這い上がろうとしたけれど、突然糸が切れてしまい再び地獄に落ちてしまった」というあらすじはだいたい同じですね。

 

でも、この曲はどちらかというと、相手への一方的な想いがテーマになっている感じ。

地獄に落ち、亡者に追い回されても、白い蜘蛛の糸を手繰り寄せて、「君」に会いに行こうとした主人公。命を懸けてまで、相手に想いを届けようとしたのである。しかし、突然糸は切れてしまい、地獄に真っ逆さまとなった主人公。必死で「君」の元へ向かったのに、その想いは相手には届いてくれなかった。なぜこの想いだけは、いつも一方通行なんだ。僕がいくら必死になっても、君は僕に見向きもしない。なぜなんだ。応えてくれよ。僕の方を向いて、笑ってくれよ......。こんな風にいくら叫んでも、やっぱり君には聞こえちゃくれないんだなぁ。そんな切ない片思いソング。

ところで、最後の「空の切れ間、君の顔...なぜか笑っていた」という歌詞。どうして「笑っていた」のだろう? 原作は、「悲しそうな顔をして」だったのに。もしかして、この「君」の笑顔って、実際に見えていたのではなく、「僕」が勝手に思い浮かべていただけなんでしょうか。いつまで経っても君は笑ってくれないなら、せめて妄想の中だけでも微笑みを見せてよ......みたいな。うわ、切なっ。(´;ω;`)

個人的には、大好きな一曲です。あぁ、切ない。もう泣きそう。

 

 

10.アカツキの詩(album ver.)

実は、これも名曲。

シングルでは割と地味な部類に入る曲だが、名曲であることに間違いはない。

淡々としたアコースティックギターストロークが魅力的だが、所々に入ってくるストリングス、サックス、トランペットも、すごくいい雰囲気を出している。聴いていて、なんだか落ち着くというか、とてもしんみりする。ぜひ、綺麗な月明かりに照らされた、夜空の下で聴きたいものだ。そういえば、前作や前々作と比べても、この頃から演奏面でも進化してきたような。

 

そして、歌詞。

スキマスイッチ曰く、小さい頃に読んだ「子供好きのロボットが、力が強すぎて子供を抱きしめられない」というお話をモチーフにして書いたそうです。それを失恋に例えて、できるだけ物哀しい雰囲気で描いたのだとか。 (ちなみに、元ネタは未だに判明していない) そういえば、PVにもロボットと女の子が出てきますし。体が大きすぎて女の子を怖がらせたり、不器用な手で傷つけたり、観てて胸が痛いです。(笑) でも、ラストの大きな城を岩で作ったというシーンは、感動的でしたねぇ。大好きなPVです。

そう考えると、いろいろ深い歌ですよね。

っていうか、僕自身、共感することだらけの歌詞でした。

散々迷ってさ 君が選んだ

サボテンだって そう、簡単にダメにしてしまったなぁ

愛情注いでいれば 花も咲くと 信じ込んでいた

思えばそうだ 僕は 鏡越しの自分を見ていた

君が見ていたのは 紛れもなく 僕だったのに

守ろうとした 手のひらで 握りつぶしてしまうよ

ただ 君がいればいいのに こらえ切れず こぼしていた

夜が 少し 遠くなっていた

ちょっ、まじ、泣きそうなんだけど。゚(゚´Д`゚)゚。

自分が不器用な故に、誰かを泣かせたり傷つけたり、守るべきものを守れなかったり。

自分の不甲斐なさに、自分自身が嫌いになりそうだよ。

でも、「君」のことは、まだ忘れられないよ......。

これを、緩やかな曲調に合わせて歌われたら、そりゃ泣きますって。

 

このアルバムバージョンは、アウトロがシングルと全く違うものになっています。

 

では、最後に、そのPVをご覧ください。泣けますよぉ~。(´;ω;`)


アカツキの詩 PV album ver

 

 

11.アーセンの憂鬱

個人的に、むちゃくちゃ好きな曲♪♪

まず、イントロからのパーカッションのリズム感がいい。Aメロでは、どちらかというと淡々と歌われる大橋くんのボーカル。なんだかすごくお洒落な感じ。そして、Bメロ、サビでサックスの演奏が入ってきて、メロディーラインも大きな盛り上がりを見せる。さっきの「アカツキの詩」といいこの曲といい、大橋くんのファルセットが、とても綺麗だ。(その分、どっちもカラオケの難易度が高い......) また、Cメロの「暗い未来~は~イヤイヤ~♪♪」というボーカルも面白みがあって、良い。

「ズラチナルーカ」と同様、これもライブで聴きたい一曲です。

 

歌詞は、「泥棒が主人公」だという曲。

ちなみに、「アーセン」はアルザス語で、フランス語の「アルセーヌ」に当たるそうです。アルセーヌって、あの有名な「怪盗ルパン」じゃないですか! あの言わずと知れた大泥棒、いえ、大怪盗です。そういえば、歌詞にも、「保安官」「用心棒」「双眼鏡」とか、なんかそれっぽいのが出てきますもんね。ちなみに、僕はテレビで、映画「ルパン三世vsコナン」を観たことがあります。ルパンもコナンもかっこよかった。

そして、タイトルの「憂鬱」。実はこれは、切ない片思いの曲です。「君」を、ルパンに出てくる「お宝」に例えて、なんとか手に入れようとするんだけど、なかなかう まくいかない。「夢に見た君とのラブストーリー」はいつも、少し遠くにあるんだ。手を伸ばしても、ギリギリ届かないところに。そんなスッキリしないのはもう嫌だ。だから、今日という今日は「憂いてなんかいないで 嘆いてなんかいないで」、君のもとへ走っていくのさ。「英雄になりきって 颯爽と手を伸ばし」てみるんだ。

でも、結局は、

君からの答えは 瞬間で強烈な掌底(しょうてい)

というオチもついてるんですねぇ。(爆笑)

まさに、

“空回ってばっか”考えもんだなぁ

愛情の操縦は

こういうことですよねぇ。ってかこの歌詞、マジでカッコよすぎ。(//∇//)

 

最後に、スキマスイッチからのエールを。

男なら自分の手で掴み取ってやるんだ、くらいのことを言え!

 

 

12.願い言

穏やかな演奏と共に、静かに歌われるラブバラード。

間奏のオルガンや、パーカッションのスローな感じのリズムが、いい味出してます。

かと思えば、2番の「ほら~ナチュラルに~♪」の部分で、「ジャッ!」と急に音が止まるところに、心惹かれますねぇ。そして、Cメロで急に盛り上がって、ラスサビで転調するという、徐々に激しくなっていく怒涛の流れが、何とも言えず、素晴らしい。この曲、個人的には、聴く回数を重ねるほど、好きになっていく部類のタイプではないだろうか、と思います。

 

歌詞の方でも、「茜色した小さくも暖かい場所」という巧みな表現もあれば、「高級車(ロールスロイス)も高価な時計もいらない」という素直に綴った言葉が並んでいる。それを、ミディアムバラードの曲調に合わせて歌い上げる。素っ気ない感じもするが、どこか温かみも感じられる、静かなラブソングだ。だが、ラスサビで急激に盛り上がり、「君がそばにいてくれさえすれば ただそれだけでいいんだよ」と歌うとこも、また趣がある。スキマスイッチのラブソングって、すごいよなぁ。

たとえば君を 食事に誘うように

構えたりせず ほらナチュラルに切り出せたならいいけれど

どうにも 上手くはいかんもんだ

スキマスイッチ TOUR 2015 “SUKIMASWITCH”SPECIAL」では、アコースティックギターの静かなアレンジに仕上がっています。

 

 

13.1+1

アルバムの最後を飾るのは、 ピアノの弾き語りバラード。

大橋くんの歌と、シンタくんのピアノによる、一発録りだそうです。

 

シンタくんの静かなピアノが聴いてて心地良いです。シンタくんって、こういうピアノ主体の楽曲になるともう、スゴイんですよねぇ。サウンドがとても心地良くて、聴くたびにいつも心を動かされます。そう言われると、シンタくんって本当にピアノ巧いのね......。さらに、そこに大橋くんの歌が巧い具合に乗っかる。もう、感動しないワケないじゃないですか。スキマスイッチは、こういう最後の最後で、泣かせにかかるんですよぉ~。それも、密かに。名バラード「奏」「星のうつわ」よりもずっと静かに。

 

歌詞の方は、可愛らしいラブソング。なのですが、「1+1」というタイトルから、きっと、スキマスイッチのお二人自身のことも意識して書いたのかな、と思います。そう思いながら歌詞を読んでみると、確かにそう聴こえなくもない。だからきっと、「君の声に包まれ一晩過ごしてみたいなぁ」という歌詞は、シンタくんが大橋くんに向けて書いたのかもしれないし (いかにも、シンタくんが書きそうだもんなぁ/笑) 。一見、一カップルの恋愛を描いたような歌詞も、よく読むと全く違う情景が浮かんで見えることもある。スキマスイッチのラブソングは、やはり奥が深いのだなぁ。そういえば、「双星プロローグ」もそうだったな。

どこにも行かないで

これからも、2人で

あぁ、泣けるなぁ。。゚(゚´Д`゚)゚。

スキマスイッチの愛は、計り知れたもんじゃないね。(笑)

 

 

それにしても、

君の顔を眺めて一日過ごしてみたいなぁ

きっと君は嫌がるかも でもその顔もいいや

うわぁ、さすがスキマスイッチ、ドSだなぁ......。(笑)

 

 

さいごに

スキマ・ノートの記事を読んでいたら、「あのときスキマスイッチは終わっていたかも」という記事を見つけました。それがちょうど、このアルバム「夕風ブレンド」の時期だったんです。どうやら、この頃のスキマスイッチにとっては、かなり辛い時期にあったようです。どうしたんだろうと思って読んでみましたが、どうやら曲作りや多忙なスケジュール等で、相当苦労したらしいんですね。ちょっと本文を引用してみると、

常田真太郎 「ガラナ」は、映画「ラフ ROUGH」の主題歌に、ということで作ったんだよね。水泳部の物語だし、夏っぽい感じでテンションが上がる曲にしたいなって。

大橋卓弥 この時期が一番辛かったな。これだけじゃなくて、カップリング曲に入っている「スフィアの羽根」という曲もタイアップ(朝日放送「2006夏の高校野球」統一テーマソング)で。

常田 しかも、夏に行われるオーガスタキャンプで歌う「福耳(オフィスオーガスタのアーティストによるスペシャルユニット)」の曲も作らないかと言われていて。締め切りはどれもほぼ同じ、3曲同時進行。「ちょっと待って!」って感じだったね(笑)。背中を押されるどころか、足しか動いてない感じだったな。スケジュールの都合もあって、この頃の僕らは完全に分業制になってしまっていた。

そういえば、全曲解説コーナーでも書いたけど、この頃はタイアップの依頼が殺到し、収録曲の中でもガラナ」「スフィアの羽根」「惑星タイマー」は、2006年夏に3曲同時進行で作られました。それもおそらく、「ボクノート」が完成して割とすぐに。そんな中で、スキマスイッチは多忙なスケジュールに追い回されながら曲を制作していくことになりました。大橋くん曰く「当時は必死で、このまま走り続けていったら何も出てこなくなるっていう恐怖感もあった」とのこと。だからこそ、「ガラナ」を上半身裸で歌ったのだろうか。(笑) 「ボクノート」といい、同時進行の3曲といい、苦労の連続だったようで。

さらに引用すると、

常田 でも、どちらかというと商業的な要素が勝っていたかもしれないよね。

大橋 それに、使命感とか。これは初めてオリコンで1位になった曲なんだけど、同時進行の3曲を作り終えた後、すぐに3枚目のアルバムの制作に入っていたから、1位を噛みしめることもないまま過ぎていったという感じ。スタッフもものすごく喜んでくれたのに、ちゃんと反応できなかった自分たちは、思い返すと、ものすごく嫌だな。

こんなこともあったらしい。

シングルでの苦労の連続のあとに、休む暇もなくアルバムの制作に入ったとのこと。

ボクノート」、同時進行の3曲のあとに、すぐにこのアルバムの制作に入り、完全にダウンしてしまったスキマスイッチ。このあと、1年間、お互いにソロ活動をすることになるのですが、ソロ活動を経て、「ナユタとフカシギ」「musium」「スキマスイッチ」と、さらに進化していくことになるのです。