NOT FOUND

Mr.Childrenやスキマスイッチ等のレビューを。

Mr.Children 「Q」

どうも、ゾロアです。

4月ですねぇ。冬を越えて、とうとう春がやってきましたねぇ。

桜はもう咲きましたか。

 

さて、今回はミスチルシリーズ。「DISCOVERY」の続編ということで、こちらです。

Q

Q

 

 

 

はじめに

99年、アルバム「DISCOVERY」を発売し、同年に「Concert Tour '99 DISCOVERY」を開催。

ツアーが終わって、更に2000年に、シングル「口笛」「NOT FOUND」を発売。

そして、2000年9月。このアルバム「Q」の発売に至ったのです。

 

このアルバムには、「深海」~「DISCOVERY」までのアルバムとは大きく違う点がある。それは、とにかく、「かなり実験的な内容」なのです。一つ例を挙げると、シングル「NOT FOUND」は、なんと、「テンポはダーツの得点で、コード進行はくじ引きで」決めたようです! これを、「実験作」と言わないで何と言う!? その他にも、実験的な、ミスチルの新たな試みは、このアルバム中に散りばめられています。詳しいことは、全曲解説コーナーで後述しますが、全体的な評価をすれば、1曲目の「CENTER OF UNIVERSE」から、全13曲とも、「ミスチルの楽曲の、本来の自由性」が発揮された、ある意味、語り継がれるべき名盤だと、僕は思っています。

 

それでは、全曲解説コーナーへ。

 

 

1.CENTER OF UNIVERSE

1曲目から、かなりの実験作です。

イントロや1番のA・Bメロは、アコースティックギターのシンプルなサウンドから始まります。途中の田原さんの渋いソロもかっこいい。そして、サビで転調してバンド音が出現。そして、サビが終わって2番に入ったかと思えば、突如テンポアップして、そのまま突っ走り続ける。バンド音も一層激しくなり、冒頭のサウンドとは全く違った展開を見せる。2番のAメロのボーカルは、桜井さんの怒涛の早口が聴けます。「名もなき詩」のDメロ以来じゃん! 桜井さん、早口が巧いのね......。しかし、最後の最後で、「あぁ、世界は素晴らしい~♪」と歌い、全ての楽器がトーンダウンしてしまう。途中からあんなに突っ走っていたのに、ラストでは思いっきり脱力し、スローだった振り出しに戻る。リスナーにはとても想像できない展開が、次から次へとやってくるのです。

音楽的にも、かなり進歩したとも言えるのではないか。

 

そして、特筆すべきは、歌詞。

 

悩んだ末に出た答えなら 15点だとしても正しい

どんな不幸からも 喜びを拾い上げ
笑って暮らす才能を誰もが持ってる

でも本当に価値ある物とは一体何だ?
国家 宗教 自由 それとも愛
一日中悩んだよ でも結局それって理屈じゃない

向かいの家の柴犬にも「ハイ ポンジュール!」

あぁ世界は薔薇色

総ては捕らえ方次第だ
ここは そう CENTER OF UNIVERSE

僕こそが中心です あぁ世界は素晴らしい

一体どうしたんだ!? と思っただろう。(笑)

「深海」の頃に、「何の意味も何の価値もないさ」だの「男女問題はいつも面倒だ」だの「残念ですが僕が生きていることに意味はない」だの「触らなくたって神はたたっちゃう 救いの唄は聞こえちゃこないさ」だの「今じゃ死にゆくことにさえ憧れるのさ」だの歌っていた、あの桜井さんが、「あぁ世界は素晴らしい」と歌ってしまったのだ。もはや、別人のようだ。「深海」の頃の桜井さんと、「Q」の桜井さんが同一人物だとはとても思えない。

特に、「総てはそう 僕の捉え方次第だ」「ここは そう CENTER OF UNIVERSE」。そんな風に言い切ってしまった桜井さんは、ミスチルは、もはや「無敵」である。マイナスも捉え方次第でプラスに変わる。その捉え方だって人によって様々。だから誰の考えが正しいとかそんなものはない。そうだ。僕は世界の隅っこにいる一人の人間じゃない。世界の中心にいる一人の人間だ。僕こそが世界の中心。そして、誰だって自分が世界の中心なのさ。君の中の中心人物は、まさに「君」。そうだろう?

 

素晴らしい。まさに、名言集である。

 

 

2.その向こうへ行こう

「CENTER OF UNIVERSE」の次は、またまた実験的なトラック。

ちなみにこの曲、「作曲:Mr.Children」名義となっている。バンドでセッションして生まれた曲だと思いますが、何というか、ギターとかドラムをガンガン鳴らすような「ロック」というわけでもなく、かといって「ポップ」というわけでは全くない。ジャンルがよくわからないが、四人で作ったからか、サウンドは非常に凝っていて質の高いものになっている。それにしても、四人で制作して、こんな曲が出来るとは......意外すぎる。

まず、イントロのコード進行から、(いい意味で) 気持ち悪い。そして、サビで転調し、解放的でなおかつ印象的なストリングスが入ってくる。初聴き当時は、このストリングスが気持ち悪かったりもしたのだが、今改めて聴くと、「聴いてて、何だかワクワクする」といった印象に変わってくる。「不気味なおかつ、非常に面白みのある曲」といったちょっと不思議な楽曲です。サビのコーラスもなかなかいい。ちなみに、コーラスでは「Beyond my wish」と言っているようだ。

あと、田原さんのギター。イントロといい、間奏のソロといい、とにかく捻りまくっていて気味が悪いのだが、逆に言えば、とっても印象的なサウンドである。いつまで経っても耳から離れない。ライブバージョンだと、さらに聴き応えのある演奏を聴かせてくれる。この曲のギターは「田原さんにしか弾けない」のかもしれないし。

 

そして、歌詞もシュールです。

ショートケーキで例えるのなら イチゴだけ最後に食べるタイプで
口に入れる手前で落として捨てた夢もいっぱいござるよ

「ござるよ」だなんて、のんきなものだが......(^_^;)

「落としたイチゴ=消えてしまった夢」といった感じだろうか。基本的に、落としてしまった食べ物はもう食べられない。それと同じで、一度捨ててしまった夢を再び取り戻すことは非常に困難なことである。さらに「口に入れる手前で」と歌う限り、夢を叶えられないことで負った傷が、いつまでに身にしみるよ、といった風に聞こえてくる。歌っている内容は、自分にとってかなり辛いことだというのに、のんきな笑い話にさえも聞こえてしまう。実に面白い比喩表現です。

 

そして、「そう 一発でクリアして その向こうへ行こう」と歌っておいて、ラストは、

そして I'll go to home

家に帰っちゃったよ!!

ただ、ミスチルは実際に、「深海」「BOLERO」の頃に大変な目に遭ってしまい、精神的にどん底の状態となった。しかしこの「Q」では、深海から脱出する準備はもう既に整っている。そして、「地上」に戻って、またバンドとしての活動を楽しもう、と言っているようにも聞こえる。だから、この「home」は「地上」であり、「ミスチルの原点」とも呼べるのではないか。僕はそういうふうに解釈しています。

 

 

3.NOT FOUND

名曲中の名曲です。

冒頭部分はアコースティックギター一本で歌われますが、「君はす~ぐ♪」の所で、唐突にバンド音が出現する。このスリル感がたまんない。また、Aメロの中川さんのベースが魅力的。8分の12拍子というリズムで刻まれる、JENさんのドラム。サビで一層激しくなり、感動的なメロディーを物語っていくストリングス。そして、桜井さんの美しいボーカル。「バンド音とストリングスの融合」といった感じか。

とにかく、全体的に演奏が秀逸すぎる。ライブで聴けたら感動モノだろうな。

で、最後の最後に、またアコギ一本のストロークで終わる。冒頭と同じシンプルな終わり方も、斬新だ。

 

昨日探し当てた場所に
今日もジャンプしてみるけれど
なぜか NOT FOUND 今日は NOT FOUND

個人的に、Cメロの部分で、いつも感動してしまう。

この曲は、すれ違い気味の二人によるラブソング、といった感じ。

いつか素直に君と愛し合えたのに、最近になってなぜか分かり合えない。どうしてなんだ。僕は確かに君を想っているのに、どうして君に届かないんだ。いつも、「今日はNOT FOUND」みたいなリアクションばかりで、僕はもう辛いんだよ。「歌や詩になれない この感情と苦悩」が押し寄せてくる。あぁ、いっそのことずっと「君に触れていたい」。痛みも何もかも伴ったっていいから。頼むよ。もう一度僕に、「微笑みを」見せてよ。そしたら、あの日の二人にまた戻れるはずだろう?

この部分のストリングスと、このあとの田原さんのストロークが、もはや感動的。

サビの桜井さんの「微笑みを~♪」という高音のボーカルが、、切ない。泣けてくる。

 

先述した通り、「テンポはダーツの得点で、コード進行はくじ引きで」決めたとはいえ、曲調も、リズムも、演奏も、詞も、メロディーセンスも、全てにおいて素晴らしすぎる。誰がなんと言おうと名曲だ。桜井さん自身も「この曲のために今まで活動してきた」と言ってたし。まさに「21世紀の名曲」です。

 

自分だって思ってた人格(ひと)が また違う顔を見せるよ
ねぇ それって君のせいかなぁ

 

余談

本ブログのタイトルも「NOT FOUND」ですが、言うまでもなくこの曲から取ってます。(笑) いや、この曲が好きなのもあるんだけど、なんとなく、ブログ名が「NOT FOUND (ページが見つかりません) 」だったら、面白いかな、と思って。(笑) このブログにアクセスした時、「えっ、"NOT FOUND"!?」と一瞬焦ってくれる人がいたら、僕はとても嬉しいのですが。(爆笑)

 

 

4.スロースターター

歪んだエレキギターが中心となる、いかにも渋いロックナンバー。

イントロの、二本のギターの掛け合いが、とてもカッコイイ。全体的に、数種類の歪んだギターリフが、まるで一つのように絡み合っている。そうすることで、1つの曲を構成していく。いわば、「ギターリフのオンパレード」とも呼べる曲。そう言う意味でも、これもかなり実験的な曲ではないか。ある意味、田原ファンにはたまらない楽曲かもしれないし。

また、間奏のソロのあとに、演奏が急に静かになってしまう。ここの歪みまくったギターの音色は、是非とも聴くべきです! そして、「隙を見て奪い取る~♪」のところの、JENさんのドラムが、、、もうカッコよすぎ。( ;∀;) 

おそらく、このアルバムでは、一番ロックな曲。

出発の鐘は鳴った スロースターター 今 発車

そんなこと言われたら、不思議とやる気が起こりますな。(笑)

 

強がりを言うなと 他人は笑うけど

叶わぬ夢など 俺は見ないのよ

 

 

5.Surrender

アコースティックギターによる、非常にシンプルな楽曲。「スロースターター」に引き続き、渋い......!

ただ、イントロの桜井さんの口笛が、耳から離れない。(笑) 「ふぅぅぅぅ~♪」。(笑) これ自体は暗くて重い曲なだけに、ちょっとだけ場を和ませてくれるというか、安心させてくれるというか、なんだか聴いててとても面白い。ある意味、これも実験作でしょうか?

そして、淡々と歌っていくかと思えば、サビの「Oh~♪」というコーラスといい、Cメロの田原さんのギターソロといい、同じCメロの桜井さんの「暗闇を照らしてよ~♪」という泣き声のようなボーカルが。どうしてだ、どうしてこんなに切ないんだ。歌詞を読む限り、失恋ソングだというのは分かっているが、聴いてて無性に切なくなる。泣けるというか、、、とても心に染みる。アコギ一本というシンプルな曲だからか、余計に。なかなか聴かせる良曲です。

 

胸に無情の雨が降る
二人で過ごした日々は 路上のチリのよう
流れて 消えて The Endさ

 

 

6.つよがり

名曲。

おそらく「Atomic Heart」の「Over」以来となる、切なくて優しいラブバラード

 

とにかく、歌詞がね、泣けるんですよ......。(  ;∀;)

凛と構えたその姿勢には古傷が見え
重い荷物を持つ手にもつよがりを知る
笑っていても僕にはわかってるんだよ
見えない壁が君のハートに立ちはだかってるのを

凛と構えて立っていても、そのハートには深い傷跡がある。

「大丈夫だよ。なんだ、このくらい」と、ちょっとだけ「つよがって」みればみるほど、最終的に重荷に押しつぶされそうになり、さらに傷は増えていく。

僕だって、本当は、「あるがままで つよがりも捨てて」生きていきたいのに。

僕の心が、世間の荒波が、それを許しちゃくれない。

だからいつも、誰かの前では平気なフリして、「つよがる」んだ。

本当は、六弦がかき鳴らせないほどに、「不器用な指が絡んで震えて」いるくせに。

ねぇ、君も同じように、「見えない壁が君のハートに立ちはだかってる」のかい?

 

あせらなくていいさ 一歩ずつ僕の傍においで
そしていつか僕と 真直ぐに
向き合ってよ 抱き合ってよ
早く 強く あるがままで つよがりも捨てて

ラスサビが、もう最高に泣けるよぅ......゚(゚´Д`゚)゚

「あせらなくていいさ」「一歩ずつ僕の傍においで」と君に言った。でも本心は、「君と早く抱き合いたくて」仕方がなかった。なのに、またひとつ、君に「つよがり」を言ってしまった。結局、また僕の本音を、君に打ち明けられなかった。誰かに打ち明けたいと思っているのに、結局「つよがり」を、嘘を言ってしまう。それが「人間」の弱さの一つなんだね。ねぇ、「早く、僕の傍においで」よ!

二人でいるときくらい、「あるがままで つよがりも捨てて」君と寄り添いたいよ。

 

そんな歌詞を包み込むような、美しい旋律のピアノとストリングス、桜井さんの歌声。

紛れもなく、「名バラード」です。

 

「優しいね」なんて 買被るなって
怒りにも似ているけど違う

「優しいね」って言われると、「買い被るな」と反発してしまう。

違う。これは君への怒りじゃない。素直になれない僕自身への苛立ちなんだ。

 

 

7.十二月のセントラルパークブルース

「つよがり」という王道バラードのあとに、これって。(爆笑)

またしても実験的なナンバー。

 

イントロは、田原さんの渋いアルペジオがフェードインして、この曲が始まります。そして、始まる桜井さんのボーカル。Aメロはどちらかというと淡々と。そしてサビの歌い方ときたら、、、これが意外にも、高い!! 原キーで実際に歌ってみると、サビの高音が少々キツかったりします。(^^; いや、歌えないということはないんだけど、ちょっと、体力を消耗しちゃうというか。(汗) CD音源では、桜井さんが楽々と歌っているから、やっぱりプロはすごいなぁ、と思っていたら、「Mr.Children concert Tour Q 2000~2001」では、もろにキーを一音下げてた。(笑) さすがに、全国ツアーで原キーを歌うのは、いささかキツいのだろうか? まあ、個人的には、ライブバージョンの方が好みだったりするんですが。(^^; 演奏も格段にかっこいいし。あと、間奏の田原さんのソロも、かっけぇ。でも、このバージョンもピアノの演奏がやたらと巧いよな。

 

そして、特筆すべきは、2番のAメロの、

♪ 宗教かぶれが僕にこう問う 

Hey! あなたは~幸せデスカー??」

 

 

「はいはーい!! (^О^)ノ

 

 

♪「幸せですとも」と嘘ぶきながら 十二月のセントラルパークブルース

この部分。思わず吹き出してしまった。(爆笑)

だって、「はいはーい!」って。(爆笑) しかも、半分やけくそ気味だし。(笑)

 

メロディーも、演奏も、桜井さんの歌い方も独特で、非常に面白い楽曲です。

実験性も高くて、コミカルで、さすがは「Q」と言いざるを得ませんよねぇ。(笑)

 

街をうめ尽くすクリスマスツリーを見てたら涙が出て来た
ちょっと待て僕はもう三十だぜ 十二月のセントラルパークブルース

 

 

8.友とコーヒーと嘘と胃袋

「十二月のセントラルパークブルース」のあとに、またこれって。(笑)

 前曲に引き続き、非常にコミカルで実験的なナンバーです。

でも、個人的には、アルバムで1、2、3を争うほど好きな曲だったりします♪♪

 

ちなみに、よーく聴くと、一番最初に、コーヒーをカップに注ぐ音が聴こえます(^^)

イントロは、渋くて印象的な中川さんのベースから始まります。効果音のようなギターもまたいい味出してます。そして、桜井さんのボーカル。うぅ、またしても渋い......! なんとなく、酒に酔っ払いながら歌っているような雰囲気です。(^^; ある意味、こんなにも歌い方を意識したのは、「So Let's Get Truth」以来かも? あれは、長渕剛を意識しているみたいだし。演奏も渋いし、歌い方も渋い曲ですよねぇ。(というか、このアルバム、渋い曲多すぎ/笑)

 

そして、この曲の醍醐味はなんといっても、中盤の桜井さんの語り!

あぁ~♪  コーヒーを~飲むよ~♪

タバコも飲むよ 飲むよ~おぉぉぉぉ!!

お酒も 飲むよ 飲むよ 何だってぇぇぇ!!

飲むよぉぉぉ!!

 

あぁぁぁ!! あぁぁぁぁぁ!!!!



人を物真似した~♪ 後先とか考えちゃ駄目だよ?!

だってそもそも今日(こんにち)の自分なんて初めから無いも同然だからね!!

もういいかい!? そりゃそうだよ!!!

例えばそれが無茶苦茶な要求だろうが 例えばそれが傲慢な女のワガママだろうとさ!!!

飲むよ! 飲ませてちょうだいよ!!

いいねぇ!!! 飲む達人になりたいねっ。

ある意味もうあこがれに近い感じがあるよ



赤塚不二夫にキース・リチャードね

野坂昭如に藤原組長でしょ

粋だねぇ!! 下町情緒だよねぇ

あぁ、それはちょっと違うか。(汗)

脱線しちゃったね 脱線だねぇ。(>人<;)

でも僕はね 脱線はいいけど惰性で生きちゃ駄目だねぇ!

これ僕のポリシーよ!?

 “惰性で生きちゃだめ!! これ僕のポリシー!!



上手い事言った!!

上手い事言ったあぁぁぁ

ぁぁ!!!

 

なんか、、、説教されてる気分。(爆笑)

 

これは実際に、酒を飲んで酔っ払った状態でレコーディングしたものだそうです。

そのためか、呂律が全く回らなかったらしい。(笑) 

それにしても、「上手い事言ったぁぁぁぁぁぁ!!」って。(爆笑)

いやぁ、普通に、爆笑モンですわ。

 

 

でも、歌詞はとっても感動的。泣けること言うなぁ。(´;ω;`)

さぁ見てみろよ今や世紀末は遠い過去の話だ
そもそもキリスト教に僕はなんの信仰もない
罰当たりと言われてもクジラやイルカの肉も食べる
悲しみも 憎しみも 愛しさも 優しさも いやらしさも
食べるよ 食べるよ 食べる

だから胃袋よ あぁ僕の胃袋よ
もっと強靭たれ もっと貪欲たれ
なんだって飲み込んで なんだって消化して
全部 エネルギーに変えてしまおう

悲しみだろうと憎しみだろうと、何だろうと胃袋は消化してくれる。

だから、どんなに辛い事があったとしても、それはいずれ、僕のパワーに変わっていくはずさ。

全てのことを噛み砕いて、飲み込んで、消化して、エネルギーに変えてしまえ!

 

 

9.ロードムービー

イントロのピアノが象徴する通り、とっても爽やかな曲。

 

歌詞は、夜明け頃に、二人乗りのオートバイを走らせて、綺麗な景色でも見にいくのかな? そんなイメージの、ちょっとロマンティックな曲です。「寝ぼけた君を乗せて ほんの少しだけ急いで 月明かりが誘う場所へ」という出だしから、そんな感じで。(^^)

こういう、ありがちな風景を歌った曲、個人的には好きだなぁ。(*´∀`*)

何がロマンティックって、

カーラジオも無くそしてバックもしない オートバイが走る
ただ君の温もりを その優しい体温を
この背中に抱きしめながら

この歌詞が!

カーラジオもないけど、僕は、君の温もりさえ背中に感じていられればいいさ。

バックなんてしないし、今更後ずさりはしないよ。後ろに君がいてくれるから、僕はもう迷わない

あぁ、もう、泣きそう。(´;ω;`)

 

あと、ラストの歌詞。

街灯が2秒後の未来を照らし オートバイが走る
等間隔で置かれた 闇を越える快楽に
また少しスピードを上げて
もう1つ次の未来へ

「街灯が2秒後の未来を照らし」というフレーズが、素晴らしすぎる。街灯の小さな光が僕らを照らしてくれるから、この先の闇を越え、「この路の上の何処かにあるはずのゴールライン」を目指して、「また少しスピードを上げて もう1つ次の未来へ」、さぁ行こう! とか締めくくられたら、そりゃあもう、最高ですよ。とにかく歌詞が秀逸すぎる。これはファンの間でも大人気なわけだわ。

 

 

10.Everything is made from a dream 

このアルバム、どんだけ実験作入ってんのよ! (笑) 」って突っ込みたくなるくらい、またしても実験的なナンバー。そして、「その向こうへ行こう」に引き続き、これも「作曲:Mr.Children」名義。といっても、やはりガチガチのロックではない。そして今度は、初期の彼らに近い感じの、「ポップ」な曲である。ポップといっても、単純にノリがいいだけじゃない。

イントロは、中川さんのベースソロから。そしてAメロは、ポップというよりも、なんとなく「光の射す方へ」のAメロのような地味な印象で、ダウナーで、ちょっと渋い感じのサウンド。途中の、「Uh~♪」というコーラスが、何とも言えず、いい。そしてサビだ。ここから「もろにポップ」な曲調に変わってしまう。Aメロとサビではかなり曲調が違うが、割と自然につながっていく感じで、更にどんどん盛り上がっていく演出が良い。先述した「光の射す方へ」もそんな感じだったし。

 

 

そして、2番のサビの後の間奏に、またセリフが挿入されています!

歌詞カードにも内容が載っていたので、早速見ながら耳を傾けて見たのですが......。

夢、夢って あたかもそれが素晴らしい物のように
あたかもそれが輝かしい物のように 僕らはただ讃美してきたけれど
実際のところどうなんだろう?

何十万人もの命を一瞬で奪い去った核爆弾や細菌兵器
あれだって最初は 名もない化学者の純粋で
小さな夢から始まっているんじゃないだろうか?
そして今また僕らは 僕らだけの幸福の為に
科学を武器に 生物の命までをもコントロールしようとしている

おぉ、重い。(^_^;) サウンドは実験的だけど、歌詞は大真面目だった。

「夢」と言われたら、上記のように「素晴らしい物」だとか「輝かしい物」というイメージの人が、大半を占めると思う。でも、本当にそうなのか? 「夢」というのは本当に、人にいい影響だけを与えるものなのだろうか? 一つ例を挙げるならば、沢山の人の命を奪った核爆弾も細菌兵器も、元はといえば一人の科学者の小さな「夢」から始まったものなのではないか。それも純粋で、後に人に悪影響をもたらす事など知る由もなかったのに、いざその「夢」が現実に変わってみれば、気がついたらたくさんの人の命が犠牲になっていた。一つの小さな「夢」が、輝かしい未来どころか、悲惨な光景を作り上げてしまうことだってある。良い事も悪い事も、全ては「夢」から作られていくのだ。

そして今でも、人は、「僕らだけの幸福の為に 科学を武器に 生物の命までをもコントロールしようとしている」と言う。人間の暮らしは、人の手によって昔と比べて非常に豊かになった。その影で、地球温暖化や動物の絶滅などが進んでいて、地球はどんどん危険な状態に追い込まれているらしい。もちろん、それを多くの人が危惧していて、現代ならではの対策も考えられている。しかし、これも上記の「夢」の話と関係ないわけじゃない。人間の欲望ひとつで、あらゆるものに悪影響を及ぼし、そのうち残酷な未来が僕らを襲いかねない、そういう未来の危険を訴えたメッセージである。そうならないために、明るい未来を胸を張って迎えるためには、一体どうしたらいいのだろう?

僕は、何をすべきなのだろう?  そんな感じの、歌詞です。

 

まさに、「全ては、夢から作られる (Everything is made from a dream) 」ですね。

 

ライブでは、さらに盛り上がれるナンバーとなっています♪♪

 

 

11.口笛

おぉ! ここまで実験的な曲が続いて、ここでいよいよポップなラブソングだ!

まず、印象的なキーボードのイントロから、もう泣けてくるよぉ。゚(゚´Д`゚)゚ とにかくメロディーが優しすぎる。特に、さっきまで地味渋な曲ばかりだっただけに、ここで味わう開放感は、半端じゃないくらい大きい。これも、ミスチルの策略でしょうか? ずるいぞ、確信犯め! (`・ω・´) アルバムの1曲目からほぼノンストップで、実験的路線で走ってきたのに、クライマックスでこの「ポップなラブソング」へと到達した。そして、いともたやすくリスナーの心を掴みやがった。まさに「急展開」であり1枚のアルバムの流れとして、「秀逸」すぎる。これだからこそ、アルバム「Q」は素晴らしい。

 

そして歌詞。先述したとおり、「ピュアなラブソング」だ。

頼り無く二つ並んだ不揃いの影が
風に揺れながら延びてく
凸凹のまま膨らんだ君への想いは
この胸のほころびから顔を出した

口笛を遠く 永遠に祈る様に遠く 響かせるよ
言葉より確かなものに ほら 届きそうな気がしてんだ

さあ 手を繋いで 僕らの現在が途切れない様に
その香り その身体 その全てで僕は生き返る
夢を摘むんで帰る畦道 立ち止まったまま
そしてどんな場面も二人なら笑えますように

これが、1番の歌詞全部だ。

Aメロの、ちょっと切ない感じの歌詞が、非常に巧い。特に「凸凹のまま膨らんだ君への想い」という歌詞が、なぜだろう、すごく胸に染みる。(´;ω;`) そして、サビ。ここからエレキギターストロークが始まって、「さぁ~♪」と桜井さんが大きな声で歌い始める。挙句の果てに、「さあ 手を繋いで」や「そしてどんな場面も二人なら笑えますように」という表現まで出てくる。これを「ピュア」と言わずに何と言うか。こんなふうに歌えるようになった桜井さんは、ミスチルはもう無敵のようだ。

そして、Bメロの「言葉より確かなものに ほら 届きそうな気がしてんだ」。

この「言葉より確かなもの」って何だろう? 考えれば考えるほど謎にはまってしまうのだが、他にも、

ああ 雨上がりの遠くの空に虹が架かったなら
戸惑いや 不安など 簡単に吹き飛ばせそうなのに

子供の頃に
夢中で探してたものが
ほら 今 目の前で手を広げている
怖がらないで踏み出しておいで

という表現がある。

前者は、ミスチル自身の悩みとも取れる。ちなみに、アルバム「Atomic Heart」の「雨のち晴れ」の歌詞にも「いつの日にか 虹を渡ろう」という歌詞がある。後の「深海」「BOLERO」で虹を渡るどころかどん底にはまってしまうのだが、「DISCOVERY」で徐々に地上へと浮上して、そして、この「Q」に至った。そして後者。「子供の頃に 夢中で探してたもの」。迷っていた昔の自分が必死で探していたもの。その一つがまさに、「雨のち晴れ」と「口笛」の「虹を渡る」ことではないか。そして、「ほら 今 目の前で手を広げている」。まさに今が、その「いつの日にか」であり、とうとう虹を渡る日が来たんだ。ついにミスチルは、ここまで辿り着いたんだ。そう実感できた。

 

いつもは素通りしてたベンチに座り 見渡せば
よどんだ街の景色さえ ごらん 愛しさに満ちてる

 

 

12.Hallelujah

そして、ここで「壮大なラブバラード」ですよ!

なんという感動的なラスト......いくらなんでもこれは反則ですって。゚(゚´Д`゚)゚

Aメロ、Bメロは、静かで心地良いピアノが演奏される。それに、桜井さんの巧妙なボーカルが、乗っていくのだ。特に、Bメロの、「霧が晴れるように~♪」というメロディーラインが、もう泣きそうなんだけど。そして、サビで転調し、JENさんのドラム、エレキギターが一気に激しくなる。そして、桜井さんが淡々と歌っていく。

僕は世の中を儚気に歌うだけのちっちゃな男じゃなく
太陽が一日中雲に覆われてたって 代わって君に光を射す
優秀に暮らしていこうとするよりも 君らしい不完全さを愛したい
マイナスからプラスへ 座標軸を渡って 無限の希望を
愛を 夢を 奪いに行こう 捕らえに行こう

あぁ、なんて素晴らしい歌詞だ......。(泣) これこそ、「名詞」です。

特に、「太陽が一日中雲に覆われてたって 代わって君に光を射す」という歌詞。実は、この「光を射す」という言葉が使われた曲は、他にもいくつかある。ALIVE」では、「やがてどこかで 光は射すだろう」と暗闇をさまよい、「光の射す方へ」では、タイトル通り、やっと光を見つけ必死で這い上がり、そしてこの曲で、ついに、「代わって君に光を射す」と歌ったのだ。まさに進歩だ。ついに、深海を泳ぎ切り、地上へとたどり着き、ピュアなラブソングも歌えるようになったのだ。(ちなみに、この3曲は、ある意味「三部作」とも呼べる気がするのだけれど、気のせいかな?/笑) それを、踏まえて読んだら、この上なく素晴らしい歌詞ですね。

あと、「優秀に暮らしていこうとするよりも 君らしい不完全さを愛したい」という歌詞も、大好き。

 

そして、アウトロは、

「ハァ~♪ ハレェ~♪ ハ~レ~♪ ハレ~ル~♪

 ハ~レ~ル~ヤ♪ ハ~レル~♪」

という壮大なコーラスが! あぁ、もう、まぢで泣きそうだよぉ。( ;∀;)

素晴らしいです。これこそ、「ラブバラードの名曲」です。

※ちなみに、「ハレルヤ」は、キリスト教で「喜び」を意味する言葉です。

 

 

13.安らげる場所

とうとう、このアルバムのラストを飾る曲となりました。

 

これは、夕暮れの灯台を見つめながら、密かに愛する人を想う、そんな感じのピュアなラブバラード。

何処からか愛しさが胸に込み上げたなら
セーターなど着てなくても そっと温もる

僕はなぜ繰り返す別れを受け入れてきたんだろう?
その謎が君と出会い ちょっと解けた

あぁ、もう歌詞カードを読んだだけで、うるっと来るなぁ。(笑)

でも、「口笛」「Hallelujah」とはちょっと違って、桜井さんいわく、「超個人的な歌」らしい。プライベートで何があったかは知らないが......。(笑) でも、だからこそ、桜井さんの想いがギュッと詰まっていて、聴いている僕らまで、ジーンときてしまう。そして、「なぜ桜井さんはこんな詞が書けるんだろう」と相変わらず感心する。これこそ、「隠れた名曲」であり、「ラブソングの原点」だと思います。

 

この曲は、ピアノとストリングスと桜井さんのボーカルのみで構成されています。これらが生む美しい旋律、感動的なメロディーには文句なしです。が、逆に言えば、田原さんと中川さんとJENさんが、演奏していないんです......。(^_^;) 言うならば、「桜井さんのソロ曲」ってわけです。日本を代表するロックバンドが、こんな曲作っていいのかと思う方もおられるかもしれませんが......。逆に言えば、この実験的アルバム「Q」だからこそ収録できた曲なんです。それも、一番最後だからこそ。ミスチルが一番最後にしたかったこと。「純粋なラブソングを歌うこと」。歌詞にありったけの想いを、感情をこめて、愛する誰かに向けて歌いたかったんでしょうか。その為に、桜井さん一人で歌ってみる。それも、敢えて「超個人的な歌」を。これこそ、かなりの実験作だと思うんだけど、どうだろうか?

そのためか、「Mr.Children Concert Tour Q 2000-2001」では、唯一歌われなかった楽曲でもある。個人的には、凄くやってほしかった曲なんだけど、正直、上記を踏まえたら、演れないと言われても仕方ないのかな。あと、どこかのインタビューで「俺たちに"安らげる場所"などねぇ!」と言ってたような気もしますし。(笑)

 

でも、「名曲」であることに、間違いはありません。

こういう曲を、是非とも、多くの人に聴いて、感動してもらいたいものです。

人はなぜ幸せを闇雲に求めてしまうんだろう?
何より大事な物も守れずに

 

 

さいごに

以上が、アルバム「Q」のレビューとなります。

 

最後に、この場を借りて、二つほどみなさんに言いたいことがある。

まず、ミスチルの経緯について。

前作「DISCOVERY」の時点では、「深海からの脱出まで、あと少しの状態」だった。つまり、「DISCOVERY」の時点で「深海を脱出しきれていたか」と聞かれたら、その答えはノーかもしれない。アルバムの前半には、まだまだダークサイドな曲が多かったからだ。でも、地上まではあと何メートルもない、あとひと泳ぎさえすれば地上に戻れる、という状態だった。

そして、前作から1年を経て、「Q」を発売した。「CENTER OF UNIVERSE」には、「総ては捉え方次第だ」「僕こそが中心です」。「Hallelujah」には、「太陽が一日中雲に覆われてたって 代わって君に光を射す」という歌詞がある。このアルバムを聴いて、「ミスチルは、深海から脱出できた」という事を否定する者は、もはや誰もいないだろう。(ジャケットも、「深海からの脱出」をイメージしたみたいだし) ミスチルは、完全に、深海から脱出できたのだ。ファンとしては、大変喜ばしいことである。

 

そして、このアルバム。「Q」について。

実はこのアルバムの売り上げは、89.7万枚と、惜しくもミリオンセラーを達成できなかった作品である。そして、オリコン初登場も2位に留まった。(1位は、浜崎あゆみ) まあ、売り上げが低いといっても、「ミスチルにしては」の話だが。その要因はどう考えても、「アルバムが実験的すぎる」からであろう。1曲目の「CENTER OF UNIVERSE」から、明らかにとっつきにくく、続く「その向こうへ行こう」「十二月のセントラルパークブルース」「友とコーヒーと嘘と胃袋」「Everything is made from a deram」などなど、一聴して、面食らってしまうような楽曲が多い。そのためか、ネット上でも、「玄人向けアルバム」「初心者ファンにはオススメできない」という声もちらほら。で、個人的には、「こんなにいいアルバムなのに、どうして売れなかったんだ!」と、非常にショックを受けた事実でもある。

確かにとっつきにくい曲は多いが、個人的には、全13曲とも凄くいい曲だと思うし、このアルバムをもっと多くの人に聴いて欲しい「名盤」だと思っている。初聴き当時は「?」となるだろうが、聴きこんでいくうちに、「おぉ! これは名盤だ!」と徐々にハマっていくこと間違いなしだと思うから。まだ、「Q」を聴いていない方にとって、この記事が、このアルバムとの出会いのきっかけとなることを、祈っています。