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Mr.Childrenやスキマスイッチ等のレビューを。

秦基博 「青の光景」

どうも、ゾロアです。

3月は、卒業シーズンですね。受験生の皆様、大変お疲れ様でした。m(_ _)m 

来年は僕が受験生なんですがね。(笑)

 

さて、今回は、秦基博さんのニューアルバムを取り上げたいと思います。

青の光景(初回生産限定盤)(DVD付)

青の光景(初回生産限定盤)(DVD付)

 

 《収録曲》

  1. デイドリーマー
  2. ひまわりの約束
  3. ROUTES
  4. 美しい穢れ
  5. Q & A
  6. ディープブルー
  7. ダイアローグ・モノローグ
  8. あそぶおとな
  9. Fast Life
  10. 聖なる夜の贈り物
  11. 水彩の月
  12. Sally

 

 

はじめに

秦さんにとっては、「Signed POP」から約3年ぶりのオリジナルアルバムです。

シングル「言ノ葉」、「ダイアローグ・モノローグ」を発売。

映画「STAND BY ME ドラえもん」の主題歌として、「ひまわりの約束」が大ヒット。

それに伴い、ベストアルバム「evergreen」を発売。秦さんの全シングルを詰め込んだ、まさに「名曲集」といってもいいアルバムでした。

その後も、「水彩の月」「Q&A」と2枚のシングルを立て続けに発売。

そして、2015年冬、このニューアルバム「青の光景」が発売となった。以上が、これまでの経緯です。

 

さて、このアルバムの中身は......。

まず、一聴してわかった。「今作の秦さんは、凄い!」ということ。

既出シングルにはなかった、新鮮味のあるサウンド。中毒性があって、なぜか何度も耳にしたくなるメロディー。そこに並んでいるのは、文句無しの名曲たち。そして、相変わらず素晴らしい秦さんの歌声。このアルバムはまさに「期待通り」……いや、「期待を遥かに上回った、名盤」かもしれない。

秦さんのアルバムでは「Documentary」「Signed POP」の2枚は既に持っていたが、アルバムの完成度としては今回のが大きく上回っている。結構、実験的なサウンドも含まれているのでとっつきにくい部分があるかもしれないが、聴けば聴くほどクセになっていき、そこに「イイ曲」が存在していることに気づく。しかも、収録曲から見たら、まさに名曲揃いだ。個人的に、かなりいいアルバムだと思う。

秦さんに少しでも興味がある方は、まずこのアルバムを手にして欲しい。

きっと、この「名曲たち」を前にして、びっくりするから。

 

 

1.嘘

アルバムのスタートと同時に、ヘヴィなエレキギターアルペジオが流れ始める。

低音のチェロ、アルペジオのループ、秦さんのボーカルが暗~い雰囲気を漂わせます。

曲調もアレンジも、「今までにない感じだ」と一瞬でわかるくらい新鮮味があって、ある意味でリスナーに大きな衝撃を与えてくれる、かなりいいスパイスとなっている。ある意味で問題作、なのか? (笑)

そして、なによりも、いかにも「ダークな秦さん全開」の曲で、こういうのを1曲目に持ってくるというのが、意外だった。個人的に、あの「ひまわりの約束」で秦さんを知ったので、なおさらだ。だが、いい意味で期待を裏切られた。その暗さも含めて、アレンジとしては本当に素晴らしいと思うので、「1曲目からやられた」という感じです。そして、残りの12曲でどういう展開を見せるのか、という期待も十二分に高めてくれる。

メッキの言葉を並べ立てて 本当のことをうやむやにした

お願いだ 今だけは せめて 嘘をつかないでくれ

おぉ、なんともヘヴィな歌詞。(^^;

サビの「永遠~♪」の部分のボーカルが、素晴らしいです。「伸ばし」が効いてて、いかにも秦さんらしい歌い方だよなぁ、と。それを何度も繰り返し叫ぶというのが、心憎いばかり。

何気に、「ライブでどういうアレンジをするのかが、一番気になる曲」でもあります。

 

 

2.デイドリーマー

続く曲は、「爽やかなポップ曲」なので、リスナーとしてはちょっと安心する。(笑)

サビの部分がなんか聴いたことあるな~、と思ったら、これ、大東建託のCMソングか! あぁ、いい曲だなぁ。音源化されるの、ずっと楽しみにしてました......( ;∀;)


CM 大東建託 「みんなの想い」

これも、イントロのエレキギターが印象的な曲。ピアノの旋律も綺麗で、爽やかですね。

なのに、歌詞が切なさすぎる。

人混み すり抜ける 揺れる髪に ふと振り返る

君はいない まばゆい思い出の その影に 僕だけがまだ縛られたままで

そういえば、今、3月だな......。ちょうど「別れの季節」って感じで、この時期にピッタリの歌詞です。「その影に 僕だけがまだ縛られたままで」という部分に、すごく共感してしまう。

君の声が聴きたくなるから、思わず瞼閉じてしまうよ」って......泣けるわぁ。(´;ω;`)

人は皆、人との切ない別れを繰り返しながら、未来へと進んでいくんだね......。

 

ちなみにこの曲、ラスサビで、「ひっそりと」転調しています。本当にひっそり。恥ずかしい話、これに気づいたのはつい最近のことである。(笑) スキマスイッチでいう「ボクノート」「アイスクリームシンドローム」ってところか。この、ごく自然に転調していくっていうところが、余計に「爽やかさ」を演出していて、サウンド自体がかなり完成度の高いものに仕上がっています。そしてラスサビの秦さんのボーカルが、、もう泣きそうなんだけど。これも秦さんのセルフアレンジだったら、凄いですよね! 

正に、「爽やかで切ないメロディー」って感じ。これもイイ曲です!

 

 

3.ひまわりの約束

映画「STAND BY ME ドラえもん」の主題歌として、ロングヒットを記録したこの曲。

シングルとしては、2014年の8月に発売されたものだけど、2015年になっても全く人気が衰えなかった。Mステなどでもいやほど (笑) 歌われたし、最近のカラオケランキングでも未だに1,2位につく、いろんな意味で「スゴイ曲」。1年半以上たった今でも、大衆に愛され続ける、言わずと知れた名曲です。 

あと、ひとつ意外だったのは、これを「3曲目」に持ってくること。えっ、こういう王道バラードを、普通序盤に持ってくるか? と一瞬思ったんだけど、「デイドリーマー」の次に聴いて納得した。なぜかは、歌詞を見ればわかる。(笑) なるほど、それでこそ「1枚のアルバムならではの味」が出てていいなぁ、と思いました。

 

イントロのアコギのアルペジオから、もう泣きそう......。

アコースティックギターが主体のバラードなんですが、サビのストリングスのアレンジが効いてて、いいですよね。それに、巧妙な秦さんの歌声が絡んで、メロディーを一層美しく仕立てている。例えるなら、綺麗な夕焼けを見つめてるってイメージ......。そういえば、映画のCMにも、ドラえもんが泣きながら夕焼けを見てるっていうシーンがあったな。あれは、感動的なシーンだったなぁ。

ひまわりのような まっすぐなその優しさを 温もりを全部

返したいけれど 君のことだから もう充分だよって きっと言うかな

あと、歌詞が、いかにも「ドラえもん」っぽいよなぁ。歌詞は、「のび太からドラえもんに宛てられた、手紙」というか、そういうものをイメージして書いたのだろうか? あの映画は、ラストシーンでドラえもんが未来に帰っちゃう、そういうストーリーだったと思うんだが......。そう考えると、すごく切ない歌詞だなぁ。今、ちょうど卒業シーズンだし、なんだか胸が締めつけられるなぁ......(´;ω;`)

「本当の幸せの意味」って、別れが近くなってようやく気付くものですからね。

今日、あの人に、「ありがとう」って、伝えてみようかな......。

そんな、「切なくて、優しい感じのバラードの名曲」です。

(僕もギターの弾き語りでよく練習する曲なんですが、やっぱり、どう頑張っても秦さんには叶わねえっす/笑)

 

 

4.ROUTES

名曲。

かっこいいアコースティックギターストローク、心地良いサビのピアノ、間奏のベースソロ、大サビの手前のドラム、そして、秦さんのボーカル。使われている楽器は割と少ないが、サウンド的にはこの上ない満足感を味わえる。また、Aメロでマイナーな感じに響かせて、サビで「はみ出せばいいんだ〜♪」と思い切り歌うことで大きな開放感を出す。この展開が、曲を大きく盛り上げてくれて、非常にいい。

 

そして、なんといっても、歌詞が素晴らしすぎる。

誰も知らない明日って 袋とじみたいなものだね

開いちまえば意外とあっけない

まず、これ。(笑) ある意味、個人的に、この曲で一番好きな歌詞かもしれない。(爆笑)

散々だった「今日」が終わって、密かに「明日」に期待してみても、結局何も変わりはしない。進歩も退歩も何もない日常を、意味もなく過ごしているよ。......そんな悩みを持った方はたくさんいると思います (なぜなら、僕もそのうちの一人ですから/笑)。

で、サビはというと、

間違えていいんだ ヒントはその中にある

守られた枠に甘えてたら 出会えなかった

愛すべき挫折を 価値のある紆余曲折を

そして 僕たちの足跡に ひとつ ふたつ また 小さな花が咲く

うむ、本当に、素晴らしい歌詞である。

人間は、間違いを犯す生き物。でも、その間違いから「何が足りなかったか」を学ぶことができる生き物。その度に、自分が求めていた「正解」へと近づいていく。それでいいんだ。だから、もう、失敗することを恐るな。

そして、行き詰まったなら、一度立ち止まってみればいい。大丈夫、夢は逃げたり消えたりするものじゃない。挫折も紆余曲折も、いつか大切な未来に変わるはずだから。

無数の「ROUTES」を選んで、そこへ向かって歩いていく、それが人生だから。

秦さん、すごい作詞力ですね......!

あとから自分らしさって 浮かび出てくるものなんだろう

振り向けば 芽吹いてたりして

 

 

5.美しい穢れ

秦さんが、アコースティックギター一本で弾き語りする曲。

イントロのアルペジオが綺麗で、聴いてて心地良い。秦さん、凄いギターテクですね......!

 

そして、歌詞がむちゃくちゃ暗い......。

1曲目の「嘘」を沸騰させる、おそらく秦さんの楽曲で最もダークな曲

本人曰く、テーマは「嫉妬」らしい。(笑) 確かに、いかにも「恋の奴隷」って感じで、あるプロセスによって、屈折してしまった「恋の形」を率直に、かなり秀逸に表している。恋する上で、「嫉妬」というのは必ずつきまとうもの。そういう「人間」なら誰にでもある悩みを、目の当たりにしているかのように率直に歌う。あぁ、切ない......。でも、個人的に、こういう曲はすごく好きですね。(爆笑) えっ、なんでって? なぜなら、僕にもそういう経験が......(割愛) いや、何でもない。気にしないでくれたまえ。

僕のものにならないのなら 君よ いっそ 消えてしまえ

僕よ いっそ 消えてしまえ

って。((((;゚Д゚)))) 怖いわぁ。

誰かを想う度、「恋」はいつでも、僕の胸を苦しめる。

嫉妬が募るあまり、「美しい その指も、肌も、唇も、足も 穢されていく」......だなんて、勝手に一人で思い込んでしまう。本当はそんなことないのに、あまりにも胸が痛くて、幻覚を見ているような気分にもなる。僕とって、一番見たくもない幻覚を。そうしていつしか、心の傷は増えていく。

それならいっそ、僕も君も、この世から姿を消してしまえば、こんな想いしなくてもいいのに。

強いて言葉にするなら、きっとこんな感じ。

なんなんだろうね、どうして僕らは誰かに恋をし、傷ついていくのだろうね。

 

なんかもう、胸が痛くてしょうがないから、とっとと次の曲に、行こうぜ。(笑)

 

 

6.Q & A

ロックの名曲。

アコースティックギターストロークと、ベースとエレキギターのダークなフレーズ。最後までノンストップのドラム。間奏のアコギのカッティングと、崩壊したかたのようなギターソロ。また、サビの手前のアコギのブラッシング。このパーカッシブな音が、超絶にカッコいい。

そしてサビの、秦さんの、高音を巧みに駆使したボーカル。

カッコよすぎる。実に素晴らしい演奏である。ライブで間違いなく盛り上がる曲だ。

「ひまわりの約束」に引き続き、僕も、ギターの弾き語りでよく練習する曲です。ギターのストロークはようやく雰囲気が出てきたところなんですが、、秦さんのように、もうちょっと格好良く弾ければいいんだけどなぁ......。(笑) あと、サビの高音が意外とキツい! 多分、カラオケの難易度は結構高いと思うなあ。こんな曲を楽々と歌い上げる秦さん、スゲェっす......!

 

歌詞は、「愛について、哲学的に考えた歌」という感じでしょうか。

傷つけるため それとも守るため この手はあるの?って」という冒頭の歌詞。人は、誰かを守る存在にも、逆に傷つける存在にもなる。だから、守ろうとすれば逆に傷つけてしまったり、愛せば愛すほど、その影に小さな憎しみさえ生まれてくる事もある。つまり、人と人が関わりを持てば、必ず「矛盾」が生じるのだ。愛情も憎悪も、幸せも不幸せも、全ては紙一重の存在。そんな現実で、最終的に自分がどんな感情に陥るかは、未来の自分でないとわからない。

それでも君は、現実に埋もれていく愛情に、迷うことなく手を差し出せるのか?

うむ、実に難解だが、かなり深みのある歌詞です。

急に怖くなって 傍観していたって

運命は変わらないよ

 

 

7.ディープブルー

間違いなく、このアルバムの「核」となる曲。

エフェクトをかけまくったエレキギターや、心臓の鼓動のようなドラムの音、間奏の淡々としたピアノのフレーズなど、サウンドととしてはかなり充実しているのだが、

この曲の醍醐味といったら、なんといっても秦さんの裏声! 初聴き当時は、びっくりして鳥肌が立った。「え、誰!?」とも思った。(笑) いや、なんか、秦さんなのに、秦さんじゃない、かといって他の誰というわけでもない。つまり、「今までに聴いたことのなかった歌声」に、僕は驚いたのでした。

アルバムの7曲目は、ある意味「中盤で大きな盛り上がりを見せるための、重要なポジション」であり、そこに「名曲」「ファンからの人気が高い曲」を持ってくることも非常に多い。例えば、Mr.Childrenの「深海」なら「名もなき詩」、「DISCOVERY」なら「I'll be」などだ。いずれもミスチルを代表する超名曲である。

その「7曲目」に、この「挑戦作」ともいえる楽曲を持ってくるということは......、

今回の秦さんは、なかなかやりますなぁ。

 

まさに、アルバムタイトルの「青の光景」ではないでしょうか? サウンドからも、いかにも「深海」っていう雰囲気が出ていますし。(前述したミスチルのアルバムじゃないけど。/笑)

悲しみの海に 君は沈んでゆく 暗い藍色の底に 見えない涙こぼす

思えるほど蒼くもなくて 僕は僕で惑う

人が、苦悩に陥る時って、真っ暗な空間に独りで閉じ込められてるような気分になる。

そこには誰の声も聞こえないし、誰からも手を差し出してもくれない。

もがくことさえできずに、時間が経つとともに、どんどんどんどん、闇の中へ沈んでいく。

そんな君の思いに、僕が少しでも寄り添えたなら......。

 

そして、間奏のピアノ→ラストのサビという怒涛の流れが、本当に素晴らしい。

まるで、暗い海の底に、そっと光を射しているかのよう。そんな雰囲気のメロディーが胸に響く。

光の浮かぶ水面に ともに還ろう

最後のこのフレーズには、グッとくるなぁ。

アウトロは、美しいファルセットを響かせながら、秦さんは叫ぶように延々と歌う。

ダークな曲だが、耳馴染みがあっていい曲だと思う。

 

 

8.ダイアローグ・モノローグ

「ひまわりの約束」よりも古い音源。

シングルでは、かなり地味な方の部類に入る曲ですが、個人的にはかなり好きな曲。

全体的には、ベース主体のミディアムバラード。この淡々と流れるベースが心地良い。また、秦さんの透き通った感じのボーカルもとてもいい。曲としてはすごく地味なんだけど、演奏・アレンジとしてはかなり完成度が高い楽曲だと思う。聴けば聴くほどやみつきになっていく、ちょっと不思議な楽曲。

 

あと、歌詞がめちゃくちゃ好き。

廻る時計の針に はじかれた君はひとり

打ち付ける人波 憧れは 脆く砕け散ったよね

思うように 思うようには 生きられないこの世界で 君はただ もがいていた

なんて、なんとも救いようのない歌詞だが、ついつい共感してしまう。(笑)

自分の理想通りに生きていきたいけど、世間を生きていく上ではそうもいかない。

いつしか現実に妥協し、夢も憧れも希望もなにもかも、どこかへ薄れていってしまう。

それでも、心の中では、まだもがいている自分がいるんだ。

そういう風に、「君」への対話(ダイアローグ)が繰り広げられるのですが、、

 

それに対して二番は、「僕」の独白(モノローグ)。

相変わらずの街に 今でも僕はひとり

でも悪いことばかりじゃなかったよ 失くしたものもあるけど

こんな感じで、お互いの状況を重ね合わせることで、聞き手には「安心感」が生まれる。

何も悩んでいるのは、自分ひとりだけではないのだ。

どこかに、自分の悩みに共感してくれる人が、必ずいるのだ。

 

空に ぽつりと「大丈夫」とつぶやいた 間違いなんてないんだ

変えられるんだ 痛みは 強さに

そして、傷みで歪んだ表情を、だんだんとポジティブな姿勢へと変えていく。

あぁ、いい曲......。

 

 

9.あそぶおとな

タイトルといい、イントロのシンセサイザーといい、すごく可愛い。(笑)

このアルバムでは数少ない、「ポップ」「ポジティブ」「アップテンポ」の3つを兼ね備えた曲。ダークな楽曲や異色のサウンドが目立つ今作だが、その中にこういう曲があると、リスナーとしてはとても嬉しい。こういう曲自体、「グッバイ・アイザック」以来なのでは?? そういわれると、こういう曲って秦さん、あんま作らないよなぁ。

 

次に、歌詞が非常にいい。

捨てらんないもんばっかりで心が重くなった

大人になったってことだな やだやだ

もうすぐ中三の僕だが、なぜかこういう歌詞にはひどく共感してしまう。(笑)

僕はまだ完全な大人じゃないけど、「一歩ずつ、確実に大人に近づいてる」。そうして得ていくものはたくさんあるが、失っていくものも同じくらいある。だからか、大人になること自体に、躊躇、戸惑い、嫌悪感を抱くこともある。

人が、生命が年をとり、大人になっていくことは、決して逃れられない運命なんだ。

でも、時々何かに嫌気がさしたのなら、いつでもこの歌を思い出して欲しいんだ。

あのマンガにもあったろ そう あきらめたら ジ・エンドだ

どれだけ年をとっても、「僕らの列車は眠らない そう 進み続けていく」。

十年後の僕がこれを読んだとき、どういう思いをするのだろうか......なんちゃって。

 

そして、アウトロのコーラスに、圧倒されました。

「ラーララーララララー♪ ラーララーララララー♪」

うおー! これ絶対ライブで盛り上がるやつじゃん! 早くライブバージョンを聴きたーい!

今後、ライブのレパートリーに当たることが多い楽曲となるだろうな。

それにしても、「Chorus:あそぶおとなたち」って......。(大爆笑)

 

 

10.Fast Life

「あそぶおとな」とは対照的な、スパイスの効いた風刺曲。

イントロは、なんともお洒落なパーカッションソロ! これは、かっこいい!! 全体的に、リズム感の独特な渋い感じの楽曲となっています。意外と、これはライブで盛り上がれる曲かも。オルガンの音色、アコースティックギターストロークもいい味出してますね。

で、歌詞は......。

もう 何を 俺は こんなに生き急いでんのかと 見つめてる 誘蛾灯

ファストフード ファストファッション 無料動画の末 深夜の徘徊

さながら それは 砂漠にオアシス 最寄りのコンビニの前で

雑誌の見出しに踊るは 「おしゃれなスロウライフ」

「ファストフード」「ファストファンション」などの便利な道具、「インターネット」などの多種多様な情報手段など、人の手によって、社会は急速に発展した。僕らの街は「人工的なもの」「便利な生活」で溢れていき、人はその街の中で今日を過ごしている。しかし、知らぬ間に「人間社会」の波に溺れていき、本来の自分、自分が生きていく意味を失っていった。都合のいい顔して「おしゃれなスロウライフ」なんて言ってるけど、結局は、ただみんなが「社会の波」へと溺れていってるだけ。今後も、僕らの街は発展していくだろう。だが、このままでは、僕らにとっての明るい未来は本当にやってくるのだろうか? そういった風刺曲です。

 

あと、このアルバムでは、「あそぶおとな」「Fast Life」という順になっているんだけど、多分この2曲は「セット」という扱いなんだと思う。この曲の「俺」は、自分がいる現実社会に、疑問・不満を抱え、不健全な顔つきで毎日を過ごしている。

だが、「あそぶおとな」では、「君の気持ちはよく分かるよ。僕にだってそういう嫌な事はたくさんあるさ。でもね、人生ってのは、最後に笑った者勝ちなんだ。ここで逃げちゃダメだよ。僕と一緒に、この冴えない現実を塗り替えて行こうよ! きっと僕らの望んだ未来が、そこに待っているはずだから」と、誰かに、真剣に語りかけている。その「誰か」とは、正にこの「Fast Life」の主人公でもあると思うのだ。

そう言う意味でも、この2曲があることで、アルバムの統一感が一層増しているように思われる。

この男に、いつか明るさを取り戻す日が訪れる事を、僕からも願っておこう。(笑)

 

だんだん今日が終わってく だんだん昨日になってく

おんなじ明日が待ってる で どうしたいの? もう夜明けだ

 

 

11.聖なる夜の贈り物

あ、これ、シチューのCMのやつだ! (笑)


松坂桃李 CM ハウス 北海道シチュー 「松坂桃李登場」篇

曲と雰囲気が合ってて、凄く印象的なCMでしたねぇ。

松坂さんの「いやぁ、寒ねぇ」というセリフが、耳から離れない......(爆笑)

 

さて、この曲自体は、秦さん初の「クリスマスソング」。

文句なしの名曲でしょう。イントロからサビまで、とにかくメロディーが秀逸すぎる。いかにもクリスマスっぽい雰囲気のメロディーで、冬の綺麗な情景がすぐに浮かんでくる。例えるなら、大きなクリスマスツリーの下を1組のカップルが寄り添い歩く、そんな羨ましい (笑) 情景。特に、Aメロ部分の秦さんのボーカルが心地良い。あと、ストリングスのアレンジも、巧い。素晴らしい。山下達郎さんの「クリスマス・イブ」にも引けを取らない名曲だ。

 

そして、冒頭の歌詞、、

プレゼントはいらないから

どうか 君の笑顔 ください

って!! 「君の笑顔こそが、最高のクリスマスプレゼントだよ☆」、なんて言われたら、そりゃキュンと来ちゃうわな。(爆笑) いや、正直、俺も来ちゃったから。(大爆笑) 秦さん、イケメンすぎます。まさに、男子の理想です......要するに、僕らの「敵」ということにもなりますが......(笑) なかなかの「強敵」だぞ、これ。

真っ白な雪のように 飾らないで 届けよう

空がくれた贈り物に 誓うよ 一度きりの言葉

寂しさを分け合って やさしさの灯をともす

頷いてくれますように ずっと 手と手を繋いでて

いやいや、もうこんなこと言われたら、もう「敵」も「味方」もありませんね。

クソ、このリア充め。でも、「爆発しろ」なんてみっともないこと言う気はないよ。

俺の完敗さ。じゃあ、いつまでも、お前さんの愛する人と、お幸せにな......。

あと、最後にひとつだけ言わせろ。「待ってろよ、すぐに、追いついてやるからな!」

とか言っちゃったりしてー。(笑)

 

おまけ

クリスマスが過ぎたなら

今年ももう終わりだね

実は、個人的に、この曲を初聴きしたの、ちょうど2015年のクリスマスなんです。

「あぁ、もう今年も終わるんだなぁ」としみじみ思いました。

 

 

12.水彩の月

バラードの名曲です。

映画「あん」の主題歌として、耳にした方も多いのではないでしょうか。

 

とにかく、ピアノとストリングスのアレンジ、秦さんの切なくて優しい歌声、そして歌詞、その全てにおいて素晴らしい、もはや「涙なしでは聴けない」感動バラードです。

特にラスサビの「いつまでもこのまま~♪ 消えないでよ~♪♪ 」の部分。

もう、涙腺が崩壊しそうです......。(´;ω;`) 

「水彩の月」を眺めてポロポロ泣いている、例えるならそんなイメージでしょうか。

話せなかったことがたくさんあるんだ

言葉じゃ足りなくて

僕は君へのこの想いにかわる明日を

移りゆく空に 探してくよ

わかりすぎる......。

伝えられなかった想い、やりきれない未練、押しつぶされそうな孤独感。

どうして僕らは、大切な人との過ごす時間を無駄にして、失ってから後悔するのだろう? こんなことなら、君に、この想いをちゃんと伝えたかった。もう、君とは会えもしないのに。気がつけば僕は、独りで泣いていた。バカみたいだね。もう実らないって、そんなことわかっているのに、未だに引きずっている想いがあるんだ。

ねぇ、もう一度、君に会いたいよぉ......。゚(゚´Д`゚)゚

そんな哀しみにかわる何かなんて、探しても見つかるはずもないのに。

あぁ、「水彩の月」よ。どうかこの僕を、哀れんでくれ......。

 

ホントに、秦さんのバラードは泣けるよぉ。

今日の月は 優しくて でも 寂しくて

君の微笑みと どこか重なる

 

 

13.Sally

アルバムの最後を締めくくるのは、穏やかなミディアムバラード。

 

ファンの間では、「名曲」とまで騒がれています。

確かに、そう呼ばれるだけはある。なんにしろ、歌詞が素晴らしすぎるのだ!

歌詞カードを見ながら曲を聴いたときは、個人的にもすごく感動しました。

だって、

もし 傷ついたのなら 止まり木で 少しだけ休もう

空が大きく映ったら それが きっと 旅立ちの合図

いずれは 旅を終えて 帰る いつもの小さな部屋

そして また記していく ありふれたキセキを

むちゃくちゃいい歌詞じゃないですか!

「あんまり無理しすぎんなよ」「いつでも帰ってきなよ」と、

優しく語りかけ、静かにそっと背中を押してくれるような歌詞が、とても印象的でした。

あなたは鳥になって 渡る 地球儀を見下ろす空

錆び付いた鳥カゴを開け放ち 目一杯羽を広げて

で、最後の最後に、「頑張れよ!」と強く背中を押してくれる。

できることなら、「卒業ソングの定番」にもなってほしいなとも思うのだが、どうだろう?

 

間奏の、壮大なストリングスが輝かしい......。

美しいメロディーと、素晴らしい歌詞のコラボレーション」といってもいい楽曲。

 

余談

というか、こういう「シンプルで、歌詞が単純にいい曲」って、意外とレビュー書きにくいのよね。(笑)

ですので、この曲だけちょっと文が短いのです。そういうわけです。

すみませんねぇ、文章力をもっと磨かなきゃねぇ。

 

 

さいごに

以上が、秦さんの最新作「青の光景」となる。

このアルバムは、秦さんにとって「初のセルフプロデュース」なのだが、確かにどこを切り取っても「秦基博らしさ」を絵に書いたような、そんな1枚のアルバムである。

1曲目の「嘘」からかなり秀逸なアレンジを聴かせ、その後も「デイドリーマー」「美しい穢れ」「Q & A」「ディープブルー」「ダイアローグ・モノローグ」「Fast Life」などと、独特なサウンドを流していく。それでいて全13曲を通して聴いても、全く飽きない名盤である。これを全曲セルフアレンジとは......秦さん、凄いです!

 

また、今作にはシングル「言ノ葉」が収録されていない。一瞬「あれ?」と思ったが、本人曰く、「『言ノ葉』は、前作『Signed POP』のツアーの途中で作ったもので、一応セルフプロデュースではあったのだが、その曲自体は、前作『Signed POP』の一連の流れの曲、という感じだったので、今回のアルバムには収録しなかった」とのこと。

で、「ダイアローグ・モノローグ」から、今回のアルバムの制作へと向かったとのこと。

秦さんが最初から意図したことならば、きっとそれで間違いないのだろう。確かに、今回のアルバムは、「嘘」~「Sally」の全13曲で成り立つもの、というのも納得できる。

ちなみに、「言ノ葉」のPVは、今作の初回盤のDVDに収録されています。

改めて聴くと、「アルバムに収録して欲しかった」と思えるくらい、いい曲である。

 

タイトルの「青の光景」はというと、

今作は、今まで以上にバラエティ性が高い楽曲が収録されているのだが、それでいて全体のイメージカラーは、「青」に染まっている、そんな感じのコンセプトである。

一概に「青」といっても、「嘘」「美しい穢れ」「ディープブルー」「Fast Life」のようなダークな曲、「デイドリーマー」「ダイアローグ・モノローグ」のような爽やかな曲、「ROUTES」「あそぶおとな」「Sally」のような前向きな曲、「聖なる夜の贈り物」のような幸せな曲、「Q & A」のようなカッコいい曲、「水彩の月」「ひまわりの約束」のような切ない曲......。「青色」というものを様々な角度から見直し、それを全13曲に詰め込むことによって、1枚のアルバムならではの強い統一感が生まれる。名盤中の名盤。

凄いアルバムを出しただけに、今後秦さんがどんな方向性で活動していくか、非常に楽しみです。